6代桂文枝(77)が27日夜、大阪市内の病院で、妻の河村真由美さん(享年67)を今月24日に、翌25日には老衰で母の河村治子さん(享年99)を亡くし、コメントを発表した。

文枝は「1月24日 妻、眞由美が、あくる日の1月25日 母が追うように逝去いたしました」と報告。真由美夫人とは学生時代に年齢差婚をし、年下ながらに、時には母のように叱咤(しった)してくれた。そして、治子さんは父を知らずに育った文枝を1人で育ててくれた。「人生の中で2日続けて死亡届を書くなんて、思ってもいませんでした」とコメントした。

真由美夫人については「ぜいたくを嫌い、困っている人にはとことん親切にするという超真面目人間でした。やがて、私の個人事務所の社長として、帳簿付けから着物の管理、子供の世話と忙しい毎日を送り、出来の悪い私を本当に陰で支えてくれました」と感謝。

真由美さんは昨年から闘病していたといい「働き者で元気な眞由美が昨年、がんを発症し、今年に入って目に見えて衰弱していきました。亡くなる前日、眞由美が私を見つめ『ごめんねぇ』と、小さな声でいったのです」。妻との別れを思い起こし「今、書きながらも涙が止まりません。その時の眞由美は美しく、出会った時のままでした」としのんだ。

その翌日には、数年前から施設に入所していた母が死去。文枝は「そして翌日、追うように母が息を引き取ったのも、いまだに信じられません」。治子さんの介護も担っていた真由美夫人は、治子さんの施設入所後も「眞由美は母の好きなみかんを買って、たびたび訪れてくれていました。悲しいです。辛いです」と言葉を振り絞るようにつづった。

それでも、2人への恩返しを誓い「でも私は、2人のためにも落語と向き合って、今以上の努力をし、皆様に喜んでいただくよう芸道に励みます。それしか2人に報いる手だてがありません」と決意もにじませた。

葬儀は、新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言が発令されている最中でもあり「世情を鑑みて、親族のみで行った」こと報告した。