コロナ禍のため、スタートが遅れてしまったNHK大河ドラマ「青天を衝け」(日曜午後8時)の初回が2月14日、無事に放送された。

初回の関東地区の世帯視聴率は20・0%(関西地区は18・9%)。20%の大台に乗ったのは13年「八重の桜」の21・4%以来、8年ぶりだっただけに、制作側はホッとしたことだろう。大河ドラマといえば、年初のスタートが定番。そのため、紅白歌合戦をはじめとした年末年始の番組でPRをすることができず、スタートが心配されていたからだ。

もっとも、前週に放送された前作「麒麟がくる」最終回も18・4%の高視聴率をマークしていた。前週から4・5ポイントの急上昇だった。最終回の18%超えは、11年「江~姫たちの戦国」の19・1%以来、実に9年ぶりのこと。従来の歴史好きの視聴者をしっかりと大河ドラマに呼び込んだことが、「青天を衝け」の好スタートを後押ししたとも言えるだろう。

大河ドラマと視聴者層がかぶるのが、テレビ朝日系「ポツンと一軒家」と思われる。14日は14・2%で、前4週平均よりも1・7ポイントダウンした。日本テレビ系「世界の果てまでイッテQ!」も14・2%だったが、こちらは前4週平均と同率。数字は下がらなかったことになり、大河の影響はあまり受けなかったことになる。つまり、視聴者層があまりかぶらなかったといえそうだ。

まあ、「ポツンと一軒家」が高視聴率番組になった背景には、一昨年の大河ドラマ「いだてん」の低視聴率も関係しているため、これこそが視聴率競争なのだろう。

最後に、「青天を衝け」は番組の冒頭に、語り部として北大路欣也演じる徳川家康を登場させた。古代の大和政権から現在の令和までの巨大な年表はまさに力作。その日本の長い歴史の中での、江戸幕府の位置付けから入ったことも、従来の大河ファンを納得させる演出だったように思う。【竹村章】