NHK大河ドラマ「青天を衝け」(日曜午後8時)で、主人公・渋沢栄一を演じる俳優吉沢亮(27)が、このほどオンライン取材会を行った。大河主演で得た経験や成長、終盤に向けての見どころを語った。

約1年半にわたり主演の重責と向き合い、吉沢は「とんでもないせりふ量を短期間で覚えて一気に消費して、というのを1年間繰り返す。他の現場では味わえない苦労がありました」と振り返る。奮闘とともに自身のレベルアップも感じ「物理的に追い詰められながらも、クオリティーのいいものを出し続ける。役者としての基礎を鍛えられた」と話す。

作中では栄一の晩年、90代までを演じ「年齢を意識すると、栄一のエネルギーや勢いが落ちてしまう。言葉のスピード感や体の動きとか、年を取っている芝居を細かく作っているけれど、いいあんばいを探りながらやってます」と、試行錯誤しながら挑んだという。

徳川慶喜役の草なぎ剛(47)との共演にも刺激を受け、「草なぎさんはお芝居をしている時の意図、せりふの間を詰めたり声を荒らげたりという、お芝居の上のプランが全く分からない。慶喜としているだけで、草なぎさんの存在がゼロ。いい方向に引っ張ってもらえるし、草なぎさんとお芝居している時でしか感じられない緊張感がある」。存在感を消して役になりきる姿には「あれは草なぎさん特有の色なので、同じことをやれと言われても絶対できない(笑い)。僕は僕なりに頑張るけど、草なぎさんみたいに素の状態で役でいられるのは役者として理想」と語った。

終盤の見どころも語り「この先の慶喜さんとのシーンは泣けるシーンばかり。2人の最後のシーンはこの作品のテーマを語っているので、グッときますね」と紹介。21日放送の第36回「栄一と千代」では橋本愛(25)演じる妻・千代が病に倒れ、別れの場面が描かれる。過去のインタビューでは千代とのシーンを「安心させてくれる何かがある」と語っていただけに、吉沢は「つらかったです」と撮影を回想。「当初からずっと支えてくれたお千代が、このシーンを撮ったら終わっちゃうんだというのと、シーン自体の重さで号泣しました」と明かした。

世の中を変えるために奮闘し続けた栄一の原動力については「周りが幸せになる、イコール自分の幸せ。使命感だけではできなかったと思うし、自分の欲を満たすだけの行動だとしたらあそこまで続かない。使命感と自分の欲、両方あったからあそこまでやれたのかな」と想像。番組終盤に向けては「落ち着くことなく情熱を持って、時に空回りしながらやっていくスタイルは変わらない。その熱量を落とさず最後まで勢いのある作品として突っ走れるのかな」と話した。

撮影は今月8日に終了した。自身を「終わったらすぐ切り替えられるタイプ」としつつ、「これだけ長いこといろんな年齢のお芝居をしてきたので、等身大の27歳を完全に忘れている気がする」と苦笑する。「一気に老けたりしないかなと不安は心の中にあるけど、全力で切り替えて、次の役に向かいたい」と前を見据えた。