単館上映、ミニシアターの先駆けとして知られる岩波ホール(東京・神保町)が、今年7月29日をもって閉館することが11日、同館の公式サイトで発表された。

公式サイトでは「岩波ホールは、2022年7月29日(金)を以て閉館いたします。新型コロナの影響による急激な経営環境の変化を受け、劇場の運営が困難と判断いたしました」と報告した。

同館の経緯も説明。「1968年2月から多目的ホールとして開館しました。故川喜多かしこ氏と、当ホール総支配人 故高野悦子が名作映画上映運動『エキプ・ド・シネマ』を発足。インド映画『大樹のうた』を上映し、単館映画館の道を進み、これまで、65カ国・271作品の名作を上映して参りました」とし「54年間の長きにわたり、ご愛顧、ご支援を賜りました映画ファンの皆様、関係者の皆様に心より御礼申し上げます」と記された。

同館の会員制度「エキプ・ド・シネマの会」も閉館をもって終了する。

同館は、岩波書店社長の岩波雄二郎氏(07年死去)や、その義妹で総支配人となる高野悦子氏(13年死去)のもと、テレビに押されていた映画や文化を盛り上げる目的などで設立。東映に勤務後、パリで映画を学んだ高野氏らは、品質の高い海外の小規模作品なども多数紹介するなどして80~90年代以降のミニシアターブームを呼び、現在の単館上映の基礎を作った。