嵐の二宮和也(39)が17日、都内で行われた主演映画「ラーゲリより愛を込めて」(瀬々敬久監督、12月9日公開)の完成報告会見に出席した。共演の北川景子(35)松坂桃李(33)Sexy Zone中島健人(28)桐谷健太(42)安田顕(48)らとともに登壇した。

オファーを受けたのは、20年末の嵐活動休止より前だという。「この映画が決まった時は、嵐の活動をずっとしていた最中で、それが一段落してから、落ち着いてから参加させていただければとお伝えして、快く引き受けていただきました」と振り返った。「今ここにいるメンバーだけではなく、収容所の中にいるメンバーそれぞれが考えを持って、ベストパフォーマンスを出すためにコンディションを整えてきた。そういうところが分かる映画だと思います。よろしくお願いいたします」と伝えた。

劇中では第2次世界大戦後シベリアの強制収容所で捕虜となり、残酷な日々に絶望する状況下でも生きることへの希望を捨てなかった実在の人物、山本幡男(やまもと・はたお)を演じた。

収容所でのシーンについて二宮は「収容所のチームが3つに分かれていて。しんどいなって思ったのは、野球をするシーンの前の日くらいに大雪になるという予報が出ていて。全チーム借り出されて、雪をどかすっていう仕事が始まって」と振り返り、「僕はそれをギリギリまでやりたくなくて、部屋のはじっこでいないフリしていました。みんな汗だくになって、ちょうど奇跡的に野球しているみたいな感じになりました」と告白した。桐谷から「俺と健人はやっていたよ」とツッコまれ、中島からも「みんな、ニノ先輩どこかなって探していました」と明かされ、「隠れていました。気持ち作ってました」と釈明し照れ笑いした。

同作は作家辺見じゅん氏のノンフィクション小説「収容所(ラーゲリ)から来た遺書」が原作。45年の終戦後、厳冬のシベリアが舞台。抑留された捕虜たちが過酷な労働の続く日々を送り、死者も続出する地獄の強制収容所で、山本は「生きる希望を捨ててはいけません。帰国(ダモイ)の日は必ずやってきます」と仲間たちに訴え続け、精神的支柱となった。終戦から8年、日本にいる妻からはがきが届くが、山本の体は病魔に侵されていた。時代に光をともすような“奇跡の実話”を描く。