2年前の冬、仲本さんを取材するため東京・目黒区の自宅兼スナックを訪ねた。2020年3月に新型コロナウイルス感染で急逝されたザ・ドリフターズのメンバーでタレントの志村けんさんを悼む取材だった。指定された時間は夕方で、住宅街にある明かりの消えているお店の何度も通り過ぎてしまうほど、ひっそりとしていた。
ドアは閉ざされ、仲本さんの姿はない。マネジャーから携帯電話で連絡を受けた仲本さんは30分ほど後に暗闇からヌッと現れ、ビックリした。「ごめん、ごめん」と人懐っこい笑顔で謝ってきた。どうもパチンコに熱中していたらしい。「それじゃ、やろうか」とインタビューを始めたが、カメラマンが仲本さんに「そのままでいいですか?」と確認するほどラフなTシャツ姿のまま。飾り気のない人だった。
志村さんについてのエピソードの語り口調は軽妙で、初対面の志村さんを「しばらく加藤(茶)ちゃんのボーヤ(付け人)と思ってた。顔見てないなぁ、と思ったら脱走してたんだよね。いつの間にか、戻っていたけど」と無邪気に笑った。インタビュー中には何度もメガネがずり落ち、イスからも落ちそうになったり。その姿は、小学校の頃からテレビで見ていた仲本さんそのもの。まるで単独ライブを見ているようだった。【大上悟】



