母親に対する自殺ほう助容疑で逮捕された歌舞伎俳優市川猿之助(本名喜熨斗孝彦)容疑者(47)が29日朝、勾留先の東京・原宿署から送検された。

歌舞伎座ではこの日、猿之助容疑者の休演に伴い市川中車(香川照之=57)に配役変更されている「七月大歌舞伎」(同3日初日)昼の部「菊宴月白浪」に向け、俳優、スタッフが出入りする様子が確認された。

同演目は「仮名手本忠臣蔵」の外伝もの。劇場を「コの字」に宙乗りして渡る演出がある。猿之助容疑者は澤瀉屋のお家芸、宙乗りを大事にしてきたが、中車が大役を担う。

25日に千秋楽を迎えた「六月大歌舞伎」に続いて、7月も歌舞伎座で主演することになった中車だが、澤瀉屋の今後については不透明だ。6月の「傾城反魂香」では、しゃべりが不自由な絵師を熱演し、評価された。ただ「菊宴-」については「中車はあくまで猿之助の代役」と言う人も多く、経験、集客力などが未知数だと指摘する声もある。今後は、5月の明治座公演で猿之助容疑者の代役を務めた、中車の長男市川團子(19)に経験を積ませ花形役者に育てていくとみられるが、関係者は「5代目をどうするかなど次のことは決められない。澤瀉屋を守るために当分(猿之助の名前は)温存…休眠させるのでは」と推測する。

来年2~3月には新橋演舞場でスーパー歌舞伎セカンド「鬼滅の刃」が予定されているが、開催可否を含めて決まっていない。