役所広司(67)が5日、都内の日本外国特派員協会で開かれた、主演のNetflixのドラマシリーズ「THE DAYS」会見で「地上波では、企画は100%、通らないと思う」と断言し、配信だからこそ実現したドラマシリーズであることを強調した。

「THE DAYS」は、福島第一原発事故を題材に、門田隆将氏の著作「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発」を原案に、入念なリサーチに基づき、3つの異なる視点から事故を克明にとらえた作品。フジテレビ系ドラマ「救命病棟24時」「コードブルー」「白い巨塔」など手がけ、同社を退社した増本淳プロデューサー(47)が手がけた。

2人に「事故から12年たった今でも、原発の問題は世界から消えていない。(ロシアの侵攻を受けている)ウクライナでも、戦闘の真っただ中に原発がある。原発について、どうお考えか?」と質問が飛んだ。増本プロデューサーは「非常に難しい問題で簡単に一言で答えられない。必要か必要でないか、使うか使わざるべきか、の議論の前に、皆さんに関心を持ってもらえないかなと思って作った」と答えた。さらに「今年、発表されましたけど、政府、電事連(電気事業連合会)では、原発を積極稼働することが法案に盛り込まれている。再稼働は、もちろん新規建設(稼働中の原発の)寿命の延長。問題は、そのことを世の中が分かっていないこと。そもそも、関心がない中で、どんどん原発再稼働、新規建設、寿命の延長が起きているのが、むしろ問題。(ドラマが)出来る役割としては、関心を持ち、そこで議論が活発になされれば、と思います」と語った。

続いて、役所は「えぇ…もちろん、事故が起きたり、地震が起きたり、津波が来たりして、原子力発電所でトラブルが非常に怖いものだとは皆、分かっている」と語った。その上で「そういうものを使わないで、ファン、湯水のように使ってる電力が手に入れば、それ(原発)以外のものが、いいには決まっている。世界が混乱している中、エネルギー問題を考えないといけない。国民が結論を出さなければいけない問題。ドラマを見て、エネルギーについて考える人が増えたら良いなと思います。」と、日本のエネルギー事情について言及した。

ドラマについては「正直、僕はエンターテインメントとしてドラマ化して、大丈夫か不安があった」と福島第1原発事故をドラマ化することに、当初は不安もあったと明かした。そして「増本プロデューサーが、あの場所で、何が起きていたか伝えなきゃいけないんじゃないか? という思いが、企画からあった。あと何年かかるか分からないけれど、修復、復興の過程も描きたいというのがライフワークとしてあった。1シーズン目として参加したくなった」と今後の出演にも意欲を示した。

配信の可能性について聞かれると、役所は「まず、地上波のドラマでは、内容的に企画は100%、通らないと思います」と断言した。その上で「(ドラマの)内容を伝えるのには、配信が一番、自分たちが思ったものを表現できるんじゃないかと思う」と続けた。さらに「プロデューサーの増本さんは、フジテレビという立派な会社にいらっしゃったんだけど、そこを退職して、第1作目で地上波では出来ないドラマを作ったんだと思う。地上波では出来ない物語を、配信サービスが出来て、僕たちの表現の場は広がったと思います」と歓迎した。