「アニソン界の大王」の異名を取る歌手ささきいさお(83)が7月20日、東京・大田区のZepp Hanedaで「デビュー65周年記念~仲間と祝う復活祭~」を開催した。
ささきは今年1月に、間質性肺炎急性増悪で緊急入院した。同病気は感染症などをきっかけに、肺の間質と呼ばれる部分に炎症や損傷が起こり、呼吸不全などの症状が急激に進行する。病院に搬送された際、通常90%以上ある酸素量が50%と酸欠状態だった。
2月末に退院。医師の指示で自宅静養を続けて、4月末のアニソンイベントでステージ復帰していた。
ささきは60年にエルヴィス・プレスリーの日本語カバー曲「本命はお前だ」で、ロカビリー歌手としてデビューした。
それから65年の記念ステージ。大ヒットアニメ主題歌「宇宙戦艦ヤマト」のアカペラでステージに登場した。歌唱後「病気をしてからというもの、自分は誰かに生かされているんだと感じるようになりました。今日は応援してくださる皆さんへの感謝の気持ちを込めて歌います」と笑顔であいさつした。詰めかけた約2000人のファンから、大きな拍手が起きた。
続いて「真赤なスカーフ」「ヤマト!!新たなる旅立ち」と、ヤマト関連の2曲を熱唱。22年に死去した「アニソン界の帝王」の水木一郎さんをしのんで、水木さんの「キャプテンハーロック」も歌い上げた。
さらにささき、水木さんとともに「アニソン御三家」と言われた子門真人の大ヒット曲「およげ!たいやきくん」も歌い、観客を喜ばせた。実はささきと子門には、知る人ぞ知る縁があった。
74年にささきは、日本テレビ系アニメ「宇宙戦艦ヤマト」の主題歌の歌手に起用された。かつて「本当に偶然というか、最初、(歌手は)僕じゃなかった。低い声がほしかったようで、僕が選ばれた」と経緯を話した。そのもう1人の候補歌手が子門だった。「およげ!-」は翌75年に国民的なヒット曲となった。
この日は、アニソン仲間の堀江美都子、影山ヒロノブ、遠藤正明、速水けんたろうらがゲスト出演。それぞれの代表曲などを歌い、65周年を祝った。
ささきは「まずは最後まで歌い切れてよかった」と胸をなでおろした。そして「これからも自分の好きなように生きていきます!」と宣言し、最後に「マイ・ウェイ」を歌い上げた。アンコールでは、出演者全員と総立ちの観客と一緒に「宇宙戦艦ヤマト」を大合唱した。
声優としても活躍してきたささきは、公開中の新作映画「スーパーマン」(ジェームズ・ガン監督)の日本語吹き替え版に登場。声優としても元気さをアピールしている。
さらにベストアルバム「ささきいさお デビュー65周年記念 ベストコレクション」も発表した。大病を克服したささきには、これからもアニソン界の支柱として頑張ってほしい。【笹森文彦】



