イスラエル出身の女優ガル・ガドット(40)が3日、イタリア・ベネチアで開催中の第82回ベネチア国際映画祭でワールドプレミア上映された主演映画「イン・ザ・ハンド・オブ・ダンテ」のレッドカーペットを、親パレスチナ派からの激しい抗議を受けて欠席した。
イスラエル軍のパレスチナ自治区ガザ地区への攻撃が続く中、映画祭に合わせて抗議活動が行われ、活動家団体はガドットと共演者の俳優ジェラルド・バトラーらが「公然と積極的にジェノサイドを支持している」として主催者に映画祭への招待を取り消すよう求めていた。
ガドットの欠席を明かした映画祭の芸術監督であるアルベルト・バルベラ氏は、同映画祭が表現の自由を擁護する姿勢は堅持するとコメントしている。
ガザ紛争を巡っては8月、俳優や監督を含むイタリアの映画関係者約1500人が公開書簡に署名し、紛争に対して断固たる立場を取り、パレスチナ支持の声を強めるよう映画祭に対して求めていた。
しかし、主催者側がイスラエル人映画監督を映画祭から排除することを拒否したことなどで、激しい抗議を受けるなど混乱が生じていた。英デイリー・メール紙のよると、高まる抗議の声によって映画祭に注目が集まる中、イスラエル支持を表明しているガドットが出席することで攻撃の的になる恐れが懸念されたことが理由だとしている。
メガホンを取ったジュリアン・シュナーベル監督は、記者会見の中でガザ紛争について直接言及することは避けながらも、ベネチア国際映画祭や他国の映画祭で自身の作品に出演する俳優をボイコットすべき理由はないと反論。「俳優としての実力で彼らを選んだ。素晴らしい演技を見せてくれた。それだけだ。この問題(ガザ紛争について)ではなく、映画について話すべきだ」と、ガドットらを擁護した。
イスラエルの徴兵制度により2年間の兵役の経験を持つガドットは、3月に行われたハリウッドの殿堂入り式典でも紛争の両陣営の抗議者たちによる小競り合いに巻き込まれている。また、3月に公開されたディズニーの実写映画「白雪姫」も大コケし、「セレブたちに対し、イスラエル批判を強めるように求める圧力の影響が大きかった」とガドットはその原因について考えを示していた。
この日は、コンペティション部門の作品に選出されたイスラエル軍によって避難中に命を奪われた6歳のパレスチナ人の少女ヒンド・ラジャブさんを描いたカウテール・ベン・ハニア監督の「ザ・ボイス・オブ・ヒンド・ラジャブ」も世界初お披露目された。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)



