トランプ米大統領をたびたび批判してきた俳優で映画監督のショーン・ペン(65)が、米保守系政治活動家チャーリー・カークさんが射殺された事件について、昨年12月に米ニューヨークで起きた米保険会社CEO暗殺事件とは異なる性質のものだとの見解を示し、「彼のような人物は必要だ。あの議論は必要だ」と米ニューヨーク・タイムズ紙のインタビューで語った。

10月3日に日本公開されるポール・トーマス・アンダーソン監督の新作映画「ワン・バトル・アフター・アナザー」で白人至上主義者を演じているペンは、カークさんの主張ほぼすべてに自身は同意できなかったとしつつも「彼がペテン師の1人だとは思えなかった」とコメント。「自分たちが同意できない対立する見解でも、正当な意見になり得ることを我が国は認識すべきだ」と話した。その上で、議員襲撃事件や大統領暗殺未遂事件など昨今米国で広がっている政治的暴力とカークさん暗殺事件とは何かが違うと話し、自分と異なる意見を持つ人との間で妥協点を見つけるために人々は議論を交わす必要があると持論を展開した。

また、バニティ・フェア誌のインタビューでも、事件について「多くの人たちと同様に、この種の恐怖が文化的に広がりつつあることを懸念している」と話した。

俳優レオナルド・ディカプリオが元革命家を演じる「ワン・バトル・アフター・アナザー」は、革命家たちとその壊滅を目指す軍事指導者を追う作品で、現実社会で政治的暴力が横行する今、映画にも重い影を落としている。

紛争地や被災地を支援する人道支援団体Coreを率いる慈善活動家としても知られるペンは、「あらゆる面で反道徳的な政権」と話し、世界を破滅しようとしているなどとトランプ米大統領を批判している。また、2022年にロシアによるウクライナ侵攻が起きて以降、複数回ウクライナを訪問してドキュメンタリーも製作している。(ロサンゼルス=千歳香奈子)