元テレビ朝日社員の玉川徹氏は14日、同局系「羽鳥慎一モーニングショー」(月~金曜午前8時)に出演。同局系「ニュースステーション」のキャスターを務め、今月1日に81歳で亡くなったことが13日に発表された元TBSアナウンサー、久米宏(くめ・ひろし)さんの、考え尽くされたニュースの伝え方を絶賛し、「久米さんを、今の『こたつ記事』では表現できないでしょうね」と指摘した。
番組では「ニュースステーション」キャスター時代に久米さんが独特のスタイルで伝えた数々のニュースを報じたほか、ゆかりの人たちの追悼の言葉を紹介した。2004年3月26日の最終回で久米さんがスタジオ内の冷蔵庫から瓶ビールを取り出し、自分であけてコップにつぎ、飲み干して番組を終えた、今も語り継がれる名場面も放送した
玉川氏は「僕は仕事をご一緒したことはないんですが、まだテレビ朝日が六本木ヒルズではなくアークヒルズにあった時、社員食堂があって、夕方5時くらいになると、ほぼ毎日そこでごはんを食べて、そこから本番に臨んでいた。そこで何度か、お見かけしていた」と述べた上で、「僕もテレビ朝日の社員でしたし、とても大きな存在だった。もちろん番組も大きな存在だった」と、久米さんをしのんだ。
「私はテレビ朝日の中にいながら、テレビを見る側だった。(久米さんと番組を)いっしょにつくっていない」としながら、「学んだことは本当に大きい」として、2点を挙げた。
「1つは、伝え手としての久米さん。何かを伝えたい時にはいっぱいしゃべっちゃうんですが、目いっぱいしゃべったから伝わるとは限らない。同じ内容なら短ければ短いほど伝わる」とした上で、「久米さんの場合は言葉ではなく、たとえば短くしゃべった後に、最後にため息をついて終わるとか、そういうふうなことで伝えている」と、内容だけでなく全体の雰囲気を含めてニュースを伝えていたとし、「だから、久米さんを、今のこたつ記事では表現できないでしょうね。『伝わる』というふうなことを」と私見を口にした。
さらに「『私はジャーナリストではない、アナウンサーです』とおっしゃっていたが、番組で伝えてきたことは、むしろだれよリもジャーナリストっぽかった。ジャーナリストは、名乗った瞬間、やれるんです。日本の中には、ジャーナリストはいっぱいいますが、名乗れる資格があるのは権力に対して批判的な目を持ち、それを発信できる人。だから、久米さんこそジャーナリストだったと僕は思います。いろんな面を勉強させていただきました」としのんだ。
MCのフリーアナウンサー羽鳥慎一が「演出を含めて、それまでニュースやニュース番組に関心がなかった層が、見ようというふうに、久米さんが、してくれたのかなと」と述べると、玉川氏は「ニュースステーションは、本当に闘っていた。忖度(そんたく)とかしなかった」と振り返り、「スタッフを含めて、それは大変なことなんですよ。大変なんですけど、そこは貫いた番組でした」とも述べた。



