宝塚歌劇団宙組「黒蜥蜴」新人公演が18日、兵庫・宝塚大劇場で上演され、入団7年目106期生の鳳城(ほうじょう)のあんが初の主演を射止めた。相手役は梨恋あやめが務めた。
同作は原作江戸川乱歩、三島由紀夫によって戯曲化され、様々なキャスト・演出で繰り返し上演された。宝塚でも07年に花組トップ春野寿美礼主演で描かれた。鳳城は名探偵明智小五郎、梨恋が黒蜥蜴を演じた。
終演後のカーテンコールで、鳳城は「魅力にあふれたこの作品を新人公演メンバーで作り上げることはとても大きな挑戦でした。何度も悩み考えながら稽古に励んでまいりました」と初の新人公演主演を回顧。本役のトップ桜木みなとに「桜木さんの元で男役として、舞台人として学べることに喜びとうれしさを感じる一方で、大きな責任と不安を感じておりました」と心境を吐露した。
自身の実力を「まだまだ力不足」といい、声を詰まらせながら「応援してくださる皆さまや先生方、上級生の皆さま、新人公演メンバーのみんな、同期がいてくださったからこそ、強行して舞台に立つことができました」と感謝した。
公演終了後は報道陣の取材にも応じ「まずはホッとしています。良い意味で記憶がない」と安堵(あんど)の表情を浮かべながらも、「トップさんが浴びるライトがこんなに神々しいんだという衝撃と、毎日これをされている桜木さんが本当にすごいと思いました」と責任の重さを実感。その桜木からは「技術はもちろんあるんですけど、それよりも自由に思ったままに羽ばたける分、羽ばたいた方が良い」とアドバイスをもらったと明かし、「自分は型にはまってしまうクセがずっとあったので、それを見てくださっていたからこそ、『自分らしい明智を作りなさい』と言っていただきました」と感謝した。
長の期として臨んだ新人公演。同期にも頼れないことも多く苦しみもあったが、「どこかで支えてくださっている方がいるとダイレクトに感じた」としみじみ。特に桜木には「たくさん支えていただき、ぶつかってしまったこともあった。そうした悩み切ったものがぶわーっと出ました」と声を詰まらせた部分を振り返り、桜木との信頼関係の深さを感じさせた。
一方、梨恋も、本役の春乃さくらから「ハプニングはあって当然。そう思って『やっちゃえ』くらいの気持ちで挑んだら良いよ」とアドバイスを受け、「心に響きました。役として生きていれば大丈夫と自分に言い聞かせながらお芝居に取り組むことができました」と感謝した。
東京宝塚劇場は8月13日に予定されている。



