女優中村ゆり(なかむら・ゆり、本名・中村友理)さんが9月1日、直腸がんのため死去した。44歳。14日、所属事務所から発表された。
中村さんは今年7月、腸閉塞のため、来年1月に放送予定のNHKドラマ10「デンジャラス」降板を発表していた。所属事務所は訃報を伝える文面で、中村さんが13年前にも、がんを患い、寛解したものの、昨年1月に再びがんが見つかったと説明。手術は成功したものの、術後に転移が見つかり「今年8月、復帰に向け回復に努めていた中、再び腸閉塞を起こし、突然余命わずかと告知を受けました」と明かした。
中村さんは2019年、日本生命のCMに起用された。「笑顔が大好き篇」で演じたのは、小学生の男の子を育てるシングルマザー役。子供目線の作文では、「お母さんは毎日、とても楽しそうです」と読み上げられるが、実際に映るのは、家族のために得意先を奔走し、疲れのあまり買い物の列で眠ってしまう営業職の女性。それでも子供の前では笑顔を絶やさないが、ある日、医者から「再検査結果通知書」とともに「できるだけ早く」と病気の治療をうながされ、子供のために入院を決断する場面もあった。子供からの「ママ頑張れ」のエールに力強くうなずき、授業参観で「お母さんの笑顔は宇宙一だと思います」と作文が読み上げられると、涙を見せるシーンも演じた。
最後は中村さんが「私には、前を向く理由がある」と、力強く宣言する。同CMは翌20年に、「第58回JAA広告賞 消費者が選んだ広告コンクール」で入賞した。
今回の訃報の発表では、中村さんが13年前にも、がんを患い、寛解したことが明かされた。このCMはその後の放送。中村さんの生き様と重なるような、魂の熱演だった。



