東京都の小池百合子知事(64)が4日、都庁で定例会見を行い、都、東京五輪・パラリンピック大会組織委員会、国で行われてきた調整会議について「役目は終わった」と述べた。同会議はこれまで五輪に関する重要な意思決定の際に開かれ、都知事、組織委の森喜朗会長、文部科学相、五輪担当相らが出席してきた。

 今月に入り、会場の見直しやコスト削減を話し合う4者協議が開催され、そこにはこれまで入っていなかった国際オリンピック委員会(IOC)が参加した。これまでIOCの意見は組織委を通じて都などに伝達されてきたが小池氏は「組織委の伝言で聞くより、IOCという本体が来ていて、ここと直接やるのが手っ取り早い。コミュニケーションの密度がぐんと高まっていることでリアルに前に進んでいる」と語った。その上で、国内団体だけで構成されてきた調整会議について「役目は終えたのでは」と指摘した。

 スピードアップの一例として上げたのが、五輪水泳センターの件。小池氏は2万席仕様が決定事項と聞かされ続けてきたが先月25日、国際水泳連盟(FINA)のコーネル・マルクレスク事務総長と会談した際のことを振り返り、「1万5000席で良いとあっさり言われた。かつ設計家もこちらにいるので、うまく話してほしいと。あっけなく2万席の根拠が崩れた」と語った。

 4者協議について「IOCがいる中、そんたくせず東京都はこういうことを考えていると(伝えている)。お互いベストなものをという流れになって来ている。時には私自身がIOCと連絡を取り、良い流れになって来ているのでは」と分析。「IOCの五輪・パラリンピックを持続可能にしていくという考え方は、東京都と一致している」とも話し、組織委を仲介せず、都とIOCが直接話し合う場を今後も継続させるべきとの考えを強調した。