稲田朋美防衛相は21日、南スーダンPKO部隊の日報隠蔽(いんぺい)問題に関し、当初は対象外だった防衛監察本部による特別防衛監察の聞き取り調査を受けた。時間は、約1時間におよんだという。

 稲田氏は今年2月の会議で、陸上自衛隊に保管されていた日報データを非公表とする方針を了承したことが分かっているが、調査に先立つ記者会見では「非公表や隠蔽を了承したことも、陸自から保管の報告を受けたこともない」と主張。調査でも同様の立場で発言したようだ。

 一方、会見では「私の責任で、しっかりやるべきことはやりたい」と、辞任を否定。党内でも拡大する辞任論を突っぱねた。否定する根拠は、自身の「記憶」とも主張したが、陸自が防衛監察本部に出した報告書には、稲田氏が非公表方針を了承したと記されている。

 「記憶力に自信はあるのか」と問われた稲田氏は、「私の記憶に基づいて話している」と発言。「私の記憶に基づく」という言葉は今年3月、森友学園の訴訟に代理人として出廷していないことを否定した際と同じだが、結局裁判所の出廷記録で出廷が確認され、お粗末な謝罪に追い込まれた。それでも、虚偽答弁とは認めようとしなかった。週明けには、衆参予算委の閉会中審査で野党の追及が待ち受ける。