東京都の築地市場が分裂している。小池百合子知事が6月20日、「築地は守る、豊洲を生かす」との基本方針を出してから、築地で働く人々の心はさらにバラバラになった。

 築地場外市場は私有地のため移転はないが多大な影響を受ける。場外市場商店街振興組合の鈴木章夫理事長は「再開発は歓迎」と語る。多くの観光施設ができ、一定のすみ分けができることを期待。「場外といえど市場だから客は小売業者であり、観光客ではない」。大勢の外国人観光客が写真ばかり撮り、ほとんど買い物をしない。ごった返しを嫌い小売業者が離れ「非常に厳しい」という。場外市場が本来の姿に戻ることが望ましいとの立場だ。

 場外には珍しいバル「タマトミ」の望月貴正代表は移転には反対。日本橋魚河岸時代から業態を変えて現在4代目だ。「欧州の市場のそばには必ず新鮮な海鮮バーがある。世界最大の築地にもあっていいのでは」と7年前に開店。その市場が1度移転したら「仲卸は戻って来ないのでは」と危機感がある。