妊娠中の女性が医療機関の外来を受診した際、自己負担金が増える「妊婦加算」に批判が拡大している問題で、厚生労働省は13日、加算を含めた制度そのものを廃止する方向で、検討を始めたことを明らかにした。

自民党の小泉進次郎厚労部会長は同日の厚労部会などの合同会議で、「妊婦さんに自己負担を発生させるのは容認できないというのが部会の総意だ」と、部会として現制度のままでは認めないとの意向を表明。年内に対応策をまとめるよう、厚労省側に指示した。できるだけ早く全面的な見直しを目指し、遅くとも2020年度の診療報酬改定に反映させる。

「妊婦加算」は、今春にスタートしたばかり。自己負担が3割なら初診で約230円、再診で約110円が加算されるが、周知不足も重なり、事実上の「妊婦税」「妊娠税」との批判が出ている。コンタクトレンズの処方など、妊娠とは無関係のケースでも加算された例があり、少子化対策を掲げる安倍政権の方針に逆行するような内容だった。

進次郎氏は「妊婦さんを社会全体で支えるという大きなメッセージが、誤った形で届き続けることがないようにしたい」と述べた。

一方で、妊婦加算は薬の処方などで特別な対応が必要な妊婦の診察を行う医療機関への配慮という側面でスタートした経緯がある。制度の見直しを受けた、何らかの代替策も検討する。