ブローザホーンの勝因は3つある。まずは向正面までのポジション取りだ。菅原明騎手は1コーナーを後方3番手で回ると、内のドウデュースに外からかぶせるように馬体を併せた。馬場のいい外めには出させない。そんな意図も感じられたが、もし早めに位置を上げていたら、逆に目標となり外からまくられる恐れがある。しばらく併走状態を続けることで、1番人気馬の“選択肢”を1つつぶすことができた。
2つめは下りからのロングスパート。ドウデュースの武豊騎手が外を諦め、内へ切り替えるとジワーッとポジションを上げた。残り800メートルから動くのは勇気がいるが、持久力のある末脚は下りでより威力を増す。そのあたりは日経新春杯、天皇賞・春で頭に入っている。もちろん、手応えの良さを感じていたから坂の途中で動くことができたが、この仕掛けのタイミングも絶妙だった。
そして3つめが、直線のコース選択。加速しながら下ってきた勢いをそがないように、4コーナーを大きく回った。距離ロスは承知の上。それより馬場の踏み荒らされていない外ラチ沿いへ誘導し、自慢の末脚を引き出した。ブローザホーンの力、道悪という好条件に加え、菅原明騎手の「3つの気遣い」が、G1制覇をたぐり寄せた。



