毎年、富士Sで思い出すのが“鉄の女”トリプティクが圧勝した87年。ポツン最後方から直線で5馬身も突き抜けたシーンは黒船来航といっていいほど衝撃的でした。
当時の富士SはジャパンCのステップレース(オープン、芝1800メートル)として外国馬(帯同馬)、地方馬に門戸を開放。86年からアワウェイバリースター、トリプティク、セーラムドライブと外国馬が3連覇しましたが、異次元の強さでド肝を抜いたのがトリプティクでした。
1番人気の87年ジャパンCは前がふさがる不運でルグロリューの4着も、英チャンピオンSやコロネーションCを連覇し、86年の凱旋門賞(3着)であのダンシングブレーヴと死闘を演じた強さは、まさに世界的名牝の1頭。何より、ドーヴィル、ロンシャン、ニューマーケット、カラ、エプソム、アスコット、サンタアニタパーク、東京、ヨーク、チャーチルダウンズなど世界6カ国を転戦し、G1を9勝したタフさこそ“鉄の女”の真骨頂じゃないでしょうか。
トリプティクが衝撃を与えた富士Sから38年。現在はスプリンターズSの前哨戦を経て、マイルCSの前哨戦に定着していますが、毎年富士Sの週を迎えるとジャパンCの息吹を感じずにはいられません。個人的に最も好きなレースであるジャパンCには世界5カ国から14頭が予備登録(15日JRA発表)。先日の凱旋門賞2着で英愛オークス馬ミニーホークを筆頭に、G14勝ドバイオナー、愛ダービーなどG13勝ロスアンゼルス、昨年のケンタッキーダービー馬ミスティックダン(チャンピオンズCにも登録)といった名に触れるだけで心が躍ります。
首相指名選挙では政界の“鉄の女”高市早苗自民党総裁が注目の的ですが、競馬界の“鉄の女”ミニーホークの動向にも注目。今週の富士Sは牝馬で唯一参戦のウンブライルで勝負。約2年10カ月ぶりに勝った前走の上がりが自己最速の32秒3ですから、38年前にトリプティクが見せた豪脚の再現を期待しちゃいます。ちなみに秋華賞は人気でもカムニャックで鉄板! こちらも“鉄の女”ですね。





