14日の浦和はプロレスの全盛期に小学生だった50代が熱くなっていた。主役は4Rでデビュー戦を迎えたウノキボンバイエ(牡2、宇野木、父ミスチヴィアスアレックス)。あのアントニオ猪木の「イノキ・ボンバイエ」をほうふつとさせる馬名に反応した同世代は自分だけではなかった。装鞍を終えた宇野木博徳調教師(53)は赤いシャツ。すれ違いざまに「赤いタオルは?」と声をかけると、無言でズボンのポケットに手を伸ばした。見ればまさにそれ。この日に合わせ「闘魂」の2文字と馬名を入れたタオルを作ったという。

パドックに現れたウノキボンバイエのメンコは厩舎カラーのオレンジではなく赤地に「闘魂」の2文字。馬装も赤でそろえられていた。その光景をニヤッとしながら眺めていると、そこに「(調教師の)同期を応援するために」と誰よりも熱くなっている50代が現れた。赤いジャージーズボンと新日本プロレスのTシャツに着替えた小沢宏次調教師(54)。その姿でパドックに入り、騎乗する室陽一朗騎手(24=宇野木)の足上げに向かうと、きょとんとしている鞍上をよそにセコンドになりきっていた。

2番手から早めに先頭に立ち、そのまま押し切ったウノキボンバイエ。見事にデビュー戦を勝利で飾り、口取りでは「1、2、3、ダーッ」。小沢師は「馬よりも目立ってしまって…。猛省しています」と翌日に小さくなっていたが、見ていたファンも同世代は盛り上がっていたはず。当日は福田達也オーナーの臨場はなく「地名+頑張れ(リンガラ語)より」となっている馬名の由来の真意は聞けなかったが、そのネーミングセンスは間違いなく50代を楽しませた。【牛山基康】