大井の生え抜きにして希代の個性派だったサヨノネイチヤ(牡7、坂井、父ダノンレジェンド)の引退が決まった。今後は鹿児島県の長谷川牧場で種牡馬になる予定。坂井師は「マイルグランプリの予定でしたが、脚部不安が出てしまって、現役を続けるにはちょっと大変なので…。うちの厩舎の1期生で、かなり大きな存在。いるといないとでは厩舎も変わっていただろうし。自分が調教師を辞める時には間違いなく思い出すでしょうね」。厩舎の礎を築いた愛馬をねぎらった。

「めちゃくちゃやんちゃで、すごく手がかかった。1頭では絶対に馬場を回れないんだけど、自厩舎だけで併せ馬ができないから、他厩舎に協力してもらったりして」と師。まだ馬房数の少なかった当時の苦労を懐かしむ。競馬場でも西啓騎手が毎回、一緒に返し馬をしてくれる相手を探していた。やんちゃぶりを発揮してしまったのは8戦目。むちに反応して直線で斜行を繰り返してしまい、それ以降、西啓騎手は2本のむちを持って騎乗していた。

24戦12勝。23年の勝島王冠から24年のブリリアントC、大井記念の重賞3連勝は記憶に新しい。その後は2着3回が最高だったが、結果的にラストランとなったスパーキングサマーCの2着で復活の兆しを見せていた。それだけに陣営の無念さは想像に難くないが、吉岡オーナーが愛馬に種牡馬としての道を用意した。師は「九州のセリに行く理由ができましたね」。どんな2世が誕生するのだろうか。やんちゃを受け継ぐのはほどほどに競馬で見せた強さが伝わるなら…。まずは産駒の登場を待ちたい。【牛山基康】