私にとって天皇賞・秋は好きなレースの1つです。もともと東京はゴチャつくことが少なく、馬の本来の能力をすべて出し切れる競馬場だと思います。しかも秋は芝の状態が良くて雨の影響も少ないので、純粋な力比べをするには最適な舞台といえます。以前に宝塚記念について「難しいG1」「喜んで使うレースではありませんでした」と書きましたが、その対極にあったのかもしれません。
そんな中で最も印象に残っているのは、やはりウオッカが勝った08年です。あの長い写真判定は、今でも忘れられません。
ダイワスカーレットと戦うのは5回目で、もはや因縁の対決という感じでした。まだ1回しか勝てていませんでしたし「ここで負けたらもう勝てない」という思いで臨んでいました。
ウオッカ自身も毎日王冠で2着に負けはしましたが、順調にひとたたきできて状態は良く、パフォーマンスを出し切れるだろうという手応えはありました。ためればためるほど切れ味を出せる馬でしたから、東京の1600~2000メートルもベストだったと思います。
レースでは残り100メートルぐらいでダイワスカーレットをかわしたように見えたので、もう目を離して他の馬を気にしていました。それで勝ったかと思ったら、また差し返してきていて「やばい」と。逃げていて、あそこから粘り腰を見せるとは…。驚きました。
写真判定には10分かかったそうですが、本当に長く感じました。いつもそうですが、待っている間はお互いの陣営と話せる雰囲気ではありませんし、どんな言葉を掛ければいいのかも分かりません。
しかも相手は師匠でもある松田国英先生でした。私自身は内心で「もう同着でいい」と思っていましたが、それを口にはできなかったです。あの後も、松田先生と当時の話をした記憶はありません。もし私が逆の立場でも、しゃべりづらいとは思います。
ご存じの通り、結果は2センチ差で勝ちました。競馬では圧勝も盛り上がりますが、あのような激闘もファンを魅了します。今でもウオッカといえば、あの一戦を思い浮かべる人も多いようです。今年もいいメンバーがそろったようですし、いいレースを期待します。
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角居氏が営む珠洲ホースパークに隣接する「鉢ケ崎のみんなの家」の建設が進んでいる。日本財団の助成を受け、地元住民の交流拠点となることを目指している。角居氏は「当初は年内に完成する予定だったんですが、ナフサ不足の問題もあって遅れています。それでも、だんだん全体像が見えてきましたし楽しみです」とオープンを心待ちにしていた。






