8月は日本馬が参戦する重賞競走が続く欧州に目が向きがちですが、ブリーダーズカップをめざす馬たちが鎬を削る真夏の米国競馬からも目が離せません。ここまでの米国3歳世代と古馬の注目レースを振り返って、米国競馬の現状をお伝えしようと思います。

<3歳馬>

3冠競走を終えた3歳牡馬は依然、クラシックを制した2頭が抜けています。

ケンタッキーダービー(G1、ダート2000メートル、チャーチルダウンズ)で人気のジャーナリズム(牡3、M・マッカーシー、父カーリン)を差し切ったソヴリンティ(牡3、W・モット、父イントゥミスチーフ)は、3冠の第2関門のプリークネスS(G1、ダート1900メートル、ピムリコ)をパスして臨んだベルモントS(G1、ダート2000メートル、サラトガ)で再びジャーナリズムを退けて2冠を達成。返す刀で7月26日のG2ジムダンディS(ダート1800メートル、サラトガ)に出走し、ケンタッキーダービーとベルモントSでそれぞれ3着に退けたバエザに1馬身差をつけて3連勝を飾りました。今シーズンはこれで5戦4勝、2着1回。W・モット調教師は次走にベルモントSと同じ舞台で行われる8月23日のトラヴァーズS(G1、ダート2000メートル、サラトガ)を挙げています。

これのライバルとなるジャーナリズムはソヴリンティ不在のプリークネスSに優勝。中2週で臨んだベルモントSで再びソヴリンティに3馬身差の2着。休む間もなく向かった7月19日のハスケルS(G1、ダート1800メートル、モンマスパーク)で、プリークネスSで2着だったゴスガー以下に快勝しました。

今シーズンの成績は6戦4勝、2着2回。現状の序列はトップにソヴリンティ、2番手ジャーナリズムとされていますが、それぞれに充実の秋を控えるだけに、まだ目が離せません。

ジャーナリズムの次走はソヴリンティが出走を予定するトラヴァーズS、もしくは8月30日に行われる古馬混合のパシフィッククラシックS(G1、ダート2000メートル、デルマー)となっています。

<古馬>

古馬戦線は昨年のBCクラシックの覇者で、最優秀3歳牡馬に輝いたシエラレオーネ(牡4、C・ブラウン、父ガンランナー)と、過去2度の対戦でこれに先着するマインドフレーム(牡4、T・プレッチャー、父コンスティチューション)がツートップとなって夏を迎えています。

BCクラシックに優勝したシエラレオーネは年明け、サウジカップ挑戦を視野に入れて調整されましたが、裂蹄を発症して予定を変更。陣営はBCクラシックの連覇をめざして国内で再スタートを切ることとなりました。復帰初戦となった3月のニューオーリンズクラシック(G2、ダート1800メートル、フェアグラウンズ)は調整不足もあったのか、格下のタッチアポンナスターの逃げ切りを許して3着。続くスティーヴンフォスターS(G1、ダート1800メートル、チャーチルダウンズ)は3番手から抜け出したマインドフレームを捉えきれず2着と黒星を続けました。たたき3戦目となった今月3日のホイットニーS(G1、ダート1800メートル、サラトガ)は本来の姿を取り戻して直線大外を伸びて快勝。古豪ホワイトアバリオ(4着)やライバルのフィアースネス(5着)を破って復活をアピールしました。

一方のマインドフレームは昨年4戦2勝、2着2回。三冠は最後のベルモントSに参戦してドーノックの2着(シエラレオーネは3着)、続くハスケルSもドーノックの2着でシーズンを終えました。今年は3月のガルフストリームパークマイル(G2、ダート1600メートル、ガルフストリームパーク)、5月のチャーチルダウンズS(G1、ダート1400メートル、チャーチルダウンズ)を連勝。6月のスティーヴンフォスターステークス(G1、ダート1800メートル、チャーチルダウンズ)は2度目の対戦となったシエラレオーネを2着に退けて3連勝を飾りました。陣営は8月31日のジョッキークラブゴールドC(G1、ダート2000メートル、サラトガ)へ矛先を向けています。

ソヴリンティとジャーナリズム、それに古馬のシエラレオーネとマインドフレームを含めた4頭の序列は次の一戦の結果次第。絞りこまれた馬たちがフォーエバーヤング(牡4、矢作、父リアルスティール)とブリーダーズカップクラシックを争うことになりそうです。

(ターフライター奥野庸介)

※競走成績等は2025年8月7日現在