ドイツの名手アンドレアシュ・シュタルケ騎手(51)がフローラSから継続騎乗となったカムニャック(友道)で、JRA・G1初勝利を飾った。勝ち時計は2分25秒7。祖国ドイツ、イタリアなどでオークスを勝ちまくってきた男が“ジャパニーズオークス”も数あるトロフィーの1つに加えた。51歳4カ月22日での勝利は当レース最年長勝利騎手記録。日本競馬の歴史にジャーマンの名が刻まれた。
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シュタルケ騎手に導かれたカムニャックは直線で大外から加速した。先に抜け出し、粘り込みを図った2歳女王アルマヴェローチェをゴール前で頭差捉えたところがゴール。降雨の影響で荒れた馬場をこなし、タフなレースを制した。「アリガトウゴザイマス!」。満面に笑みを浮かべ、日本語で感謝した。トライアルのフローラSで勝利に導き、すぐに本番での騎乗依頼を受けた。「調教にも乗ってチームとしてやってきた。前回よりもリラックスしていたし、直線で前が開いてから素晴らしい反応だった」と振り返った。
97年ジャパンCで初来日してから今回が25度目のJRA・G1騎乗だった。祖国ドイツのオークスを6勝、イタリアオークスは2勝。ドイツ人として初めて凱旋門賞を制した時のパートナーも牝馬のデインドリームだった。世界の名牝とコンビを組んできた鞍上が“ジャパニーズオークス”の称号も手中に収めた。「日本のG1は1つの夢。オークスはオークス。どの国でもレベルの高い馬が出てくる競走。そこでいいパフォーマンスができたことをうれしく思います」と喜びの声を上げた。日本のG1初勝利のパートナーには「スタミナがあるし、どんな馬場でも問題ない。牡馬相手のG1でもやれる」と将来のお墨付きを与えた。
この日は大事な女性がもう1人。ウイナーズサークルでのインタビュー後には、最前線でエールを送っていたブロンドの女性の元に駆け寄り、抱擁をかわした。「愛するガールフレンド。僕のことを呼んでくれていたからね。喜びを分かち合いたいと思った」と照れながらうれしがった。独の名手が“2人”のパートナーと幸福を分かち合った第86回オークスだった。【舟元祐二】
◆カムニャック▽父 ブラックタイド▽母 ダンスアミーガ(サクラバクシンオー)▽牝3▽馬主 金子真人HD(株)▽調教師 友道康夫(栗東)▽生産者 社台ファーム(北海道千歳市)▽戦績 5戦3勝▽総獲得賞金 2億4442万1000円▽主な勝ち鞍 25年フローラS(G2)▽馬名の由来 祝福された者(サンブル語)。

