現場記者が旬の注目人馬を取り上げる「夏のイチオシ」。今週は深田雄智記者が北海道シリーズで活躍する小林美駒騎手(20=鈴木伸)をピックアップ。減量を生かした積極的な騎乗で今年の函館、札幌では先週までに10勝を挙げ、単勝回収率は141%と“黙って買い”の注目騎手だ。今週からは先輩女性ジョッキー、レイチェル・キング騎手(35)との競演で、飛躍の夏にする。
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二十歳の夏は充実中だ。小林美騎手は函館開催で9勝を挙げ同場のリーディング6位。今夏を振り返り「北海道に来た選択肢は間違ってなかった。たくさんの方と巡り合い、チャンスをいただいています」と謙虚さの中に、口調は力強さも感じる。
注目すべきは“逃げ”の戦術だ。今夏の10勝のうち逃げて4勝。減量を生かした積極的な騎乗は小回りの北海道シリーズで際立つ。「ゲートを決めないと始まらない。馬を不快にさせないように意識しています」と、逃げのポイントはレース前にある。逃げ達者ぶりは札幌でも発揮。7月27日1Rではそれまでハナへ行った経験のないメイショウハマギクで逃げ切り、新味を引き出した。「減量を生かしたいと思っての依頼が多いと思う。馬に最大限の力を発揮させたい」と自身の役割を理解する。
“姐さん”から技術も吸収する。今週から札幌で騎乗予定のキング騎手とは、多くのレースで競うことが見込まれる。「馬を手の内に入れて、成績を収めてるところがすごい。通訳さんがいるので、いろいろ聞いてみたいです」。女性騎手として初のJRA平地G1を制した名手と接する機会から貪欲に学ぶ。今夏はすでに函館で競演済みだが、先月19日の6Rモリノアミーゴで勝利した際に「キングさんに“ナイスライド”って言ってもらって、すごくうれしかったです」と自信に変える。
昨夏は負傷で戦線離脱を余儀なくされた。だからこそ「事故がないことが一番」と安全第一。その上で「毎週勝ちたいです。残りの期間で10勝以上したい」。札幌開催はまだ序盤。若き逃走娘の真夏の大冒険は、これからピークを迎える。【深田雄智】
◆小林美騎手の今夏単勝回収率 函館、札幌で10勝を挙げ、単勝回収率は141%。そのうち6勝を占める4角先頭の場合は、驚異の同341%を記録している。これからは馬柱の騎手欄で「小林美」の名前を見つけ次第、買い目には積極的に入れることをおすすめしたい。
◆小林美駒(こばやし・みく)2005年(平17)3月19日、新潟県生まれ。23年3月に美浦・鈴木伸厩舎所属でデビューし、同年4月9日福島5Rアシャカタカで初勝利。1年目は10勝、2年目は19勝と着実に成績を伸ばし、3年目の今年は早くも自己最多となる22勝をマークしている。JRA通算843戦51勝(1日現在)。

