6番人気のキャンディード(牡、松下)が、衝撃のレコードで新設重賞を制した。

直線で外から末脚を伸ばし、断然の1番人気スターアニス(牝、高野)を差し切った。勝ち時計の1分19秒4は、20年ファンタジーS(阪神)でメイケイエールが記録した1分20秒1を上回る2歳芝1400メートルのJRA新記録。猛暑8月最終週の中京から新たなスピードスターが誕生した。

   ◇   ◇   ◇

酷暑も吹き飛ぶような爽快な逆転劇だった。うなるような末脚で、キャンディードが主役の座を奪った。最後の直線。先に抜け出した単勝1・7倍、スターアニスとの差を1完歩ずつ詰めていく。首差かわしたところがゴールだった。

大きなどよめきと、温かい拍手に場内が包まれたのは、その勝ちっぷりだけが理由ではない。掲示板に出た勝ち時計は1分19秒4。2歳馬としてJRA史上初めて芝1400メートルで1分20秒の壁を突き破り、衝撃のレコードを樹立した。直線入り口で迷わず外に持ち出し、上がり最速33秒9の脚を引き出した北村友騎手は「道中のリズムも良かったです。いい意味で気が抜けてリラックスできていました」とたたえた。

見守った松下師も、新たなスピードスターの登場に喜びを隠せない。検量室前では、笑顔全開で鞍上を出迎えた。「前走から大きくは変わっていないけど、2歳にしては完成度が高いです」。7月小倉の新馬戦勝利から中7週での臨戦、200メートルの距離延長も難なくクリアした愛馬の高い素質を再確認した。

「最後はもっと楽にかわせそうでしたが、調教の時から気の悪さを見せていて、そのあたりが原因かな」とジョッキーが言えば、トレーナーも「まだ気が悪いところがあります」と口をそろえる。伸びしろは十分。さらなる大舞台で結果を残すために、キャンディードが自身の最高を更新していく。【原田竣矢】

◆キャンディード ▽父 トーセンラー▽母 ストロボフラッシュ(スペイツタウン)▽牡2▽馬主 ㈱グリーンファーム▽調教師 松下武士(栗東)▽生産者 社台ファーム(北海道千歳市)▽戦績 2戦2勝▽獲得賞金 3895万5000円▽馬名の由来 舞台作品名