米国競馬の最高峰BCクラシック(G1、ダート2000メートル)でフォーエバーヤング(牡4、矢作)が歴史的な勝利を収めた。
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坂井瑠星騎手(28)と矢作芳人調教師(64)。同じ大井競馬場で生まれ育った2人は、師弟というより親子に近いように思える。
「これからは俺がオヤジとして面倒を見るから」
十数年前に瑠星少年を預かるにあたり、矢作師は旧知の仲だった父英光騎手(現調教師)へ誓ったという。
デビュー2年目に送り出したのがオーストラリア。自身が同じ20歳で初の海外修業先に選んだ地だ。当時から、未来を見据えた綿密な育成計画を語っていた。
「現地では(日本を含む)80勝までは2キロ減で乗れるのもある。手足が長くて背も高く、海外でも通用する騎手にしたい」
弟子は異国でもがいた。起床は毎日午前2時台。15頭前後の調教をつけ、午後からは語学の授業を4時間。そんな生活の中で当初は4カ月近く勝てなかった。
「あの経験がなければ、今の僕はないです。『あれより苦しいことはない』っていうのが、自分の中で大きいです」
アウェーでも動じない強さは、南半球で鍛えられた。
「すべて矢作先生のおかげですよね。本当の親のように接していただいて…」
そんな“親心”に応え、ついに師弟で世界の頂点に立った。これも計画通り? ぜひ2人に聞いてみたい。【中央競馬担当=太田尚樹】

