正真正銘の砂女王だ! ダブルハートボンド(牝4、大久保)がG1初制覇を遂げた。勝ち時計は1分50秒2。
ハイペースのなかでも自分のリズムを守りきり、最後はウィルソンテソーロとの接戦を鼻差で制した。牝馬の優勝は15年サンビスタ以来10年ぶり2頭目。鞍上の坂井瑠星騎手(28=矢作)はレモンポップで制した23、24年に続いて3連覇を果たした。
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額にある2つのハートが西日に輝いた。最後の直線半ばまで、ダブルハートボンドの鞍上・坂井騎手は手綱を持ったまま。その手応え通りに力強く坂を駆け上がる。抜け出したところで内からウィルソンテソーロの強襲にあったが、不屈の根性を発揮。写真判定の結果、鼻差でダート女王の称号をつかみ取った。
坂井騎手にとっては“三たび”のたたき合いだった。「勝ったなと思ったところで緑のメンコが見えて、また来たなと。一番怖い馬だった。(勝ち負けは)全く分からなかった」。過去2年も2着だったウィルソンを今年も封じ、自身はチャンピオンズC3連覇。「4連覇、5連覇したい」と力強く場内をわかせた。
もともと脚元に不安がある馬で、普段の調整やローテーションに細心の注意を払ってきた。「牧場を含め、大久保厩舎の皆さんのおかげだと思うので、その頑張りをこうして結果で出せたことを本当にうれしく思う」と感謝を伝えた。牝馬の優勝は15年サンビスタ以来2頭目。大きな壁を陣営一丸で乗り越えた。
大久保師にとっては20年チュウワウィザード以来のJRA・G1勝利。「感慨深いところがある」と目尻を下げた。前走のみやこSをレコードで制し、反動を心配していたが「馬は気にしていない様子だった。最終追い切りで坂井君は『しまいの動きがもうちょっときてほしい』とのことだったけど、馬が自分で考えてセーブしたのかなと思う」と、人知を超える成長に驚きものぞかせた。
今後については「1800メートルが一番力を出せるかなと思うので、そういうレースを選択していきたい」とトレーナー。海外遠征は歩様検査が厳しいため、慎重に考えたいとの方針だった。中央では7戦7勝とその強さは底知れない。これからも華麗なるスピードと卓越した根性で人々のハートを撃ち抜く。【下村琴葉】
◆ダブルハートボンド ▽父 キズナ▽母 パーシステントリー(スモークグラッケン)▽牝4▽馬主 (有)シルクレーシング▽調教師 大久保龍志(栗東)▽戦績 8戦7勝(うち地方1戦0勝)▽総獲得賞金 2億4509万4000円(同1085万円)▽主な勝ち鞍 25年みやこS(G3)▽馬名の由来 二つの+愛情をつなぐ。父名、本馬の馬体より連想

