【ミラノ=松本航、木下淳】日本女子初「複数メダル」の快挙が、まさかの「記録認定」に至らせた。日本は前日までに、冬季五輪の通算メダル獲得数を「98」まで積み上げていたが、この日、フィギュアスケート最終種目の女子フリーが行われ、ショートプログラム(SP)2位で今季限りでの引退で五輪ラスト演技となる坂本花織(25==シスメックス)が銀メダル、SP1位の初出場17歳、中井亜美(TOKIOインカラミ)が銅メダルと初の複数メダルを獲得。通算100個の節目に到達した。
一気にメダル2個で達成…ここで疑問符が付いた。「どちらが99個目で、どちらが100個目なのか」。並べてナンバリングしていく場合、上位のメダルが99個目で下位のメダルが100個目になりそうなものだが、はたして。
日本オリンピック委員会(JOC)の担当者に日刊スポーツが取材すると、答えが出た。
「2人とも『99個目』となります。同時として扱います。ですので『通算100個目』は空位となり、次は101個目となります。公式見解です」
銀の伊藤みどりや浅田真央、金の荒川静香らメダリストは多く輩出してきたものの、複数メダルとは縁がなかった日本女子が初の成果を上げたことで、珍しい「100個目なし」という記録認定となった。
日本は、冬季五輪の第1回として1924年に初開催されたシャモニー大会(フランス)に不参加。前年に起きた関東大震災の影響で選手派遣を見送った。第2回の1928年サンモリッツ大会(スイス)で初めてスキーの6人が参加。以来98年。1956年には、今大会の開催地の1つになっているコルティナダンペッツォ大会で、アルペンスキー男子回転の猪谷千春さん(94)が日本初のメダル(銀)に輝いた。70年かけて100個まで積み上げ、同じイタリアで新たな歴史の扉を開いた。
◆冬季五輪と日本勢のメダル数
56年 コルティナダンペッツォ五輪 1個(銀1)
72年 札幌五輪 3個(金1、銀1、銅3)
80年 レークプラシッド五輪 1個(銀1)
84年 サラエボ五輪 1個(銀1)
88年 カルガリー五輪 1個(銅1)
92年 アルベールビル五輪 7個(金1、銀2、銅4)
94年 リレハンメル五輪 5個(金1、銀2、銅2)
98年 長野五輪 10個(金5、銀1、銅4)
02年 ソルトレークシティー五輪 2個(銀1、銅1)
06年 トリノ五輪 1個(金1)
10年 バンクーバー五輪 5個(銀3、銅2)
14年 ソチ五輪 8個(金1、銀4、銅3)
18年 平昌五輪 13個(金4、銀5、銅4)
22年 北京五輪 18個(金3、銀7、銅8)
26年 ミラノ・コルティナ五輪 24個(金5、銀7、銅12)

