地元の赤羽大樹(37=埼玉)が、ボートレーサーとしてのラストデーとなった18日、1Rでイン逃げを決め、通算10勝目を挙げた。

 108期生として11年5月にデビュー。12年10月の平和島で待望の初勝利を挙げたが、その後は勝ち星や勝率は伸び悩んだ。ボートレーサーとしては長身の170センチ、重量級となる57キロ前後の体重も響いた。「自分のスタート勘がない」と敗因を語ることも多かった。悔しさを抱えつつも今回の引退、次のステップへの卒業を迎えた。

 それでも、やさしく、穏やかな人柄は周囲を和ませた。今節は同県同期としてデビューした酒見峻介(現在、佐賀支部)、同期の江崎一雄、そして愛用したヘルメット柄をデザインをしてくれた先輩の河上年昭もいた。3日目には酒見が「やさしいお兄ちゃんみたい。最後は泣いてしまうかも」と話すと「おれはいなくなるけど頑張って」と励まされた。

 ラストランの7R5着後に水上パレードと思い出の水面へダイブする水神祭が行われた。苦楽を共にした多くの仲間から次へのエールを送られつつ、約7年間の選手生活を退いた。