ベガルタ仙台は守勢に回りながらも2度追い付く粘りを見せた。12日のアウェー等々力での川崎F戦。0-1の後半29分にMF中原がこぼれ球を詰めて同点とし、1-2の終了間際にもFWマルティノスが左足でミドルシュートを突き刺した。土壇場で同点に追い付き、昨季王者から勝ち点1を獲得。殊勲のレフティーは「自分たちの方が走って戦ってゴールを決めた」。実際、Jリーグ発表の走行距離でも相手の109・5キロを上回る116・9キロ。その差プラス7・4キロは今季最長だった。

最後まであきらめずに走り続けた。相手の素早いパス回しにもチーム全員で走って食らいついた。今季初勝利を挙げた5月1日のホーム柏戦(1-0)でも相手より3・7キロ長く走っていた。今後も走力で相手を上回れば、勝ち点3の可能性は高まるはずだ。

10年前、東日本大震災から再開初戦となったのが今回と同じ等々力での川崎F戦だった。そこで2-1と劇的な逆転勝利を収め、勢いに乗った。最終的にリーグ4位に入り、翌年にはクラブ最高の2位に躍進。今季はJ2降格圏の19位に沈むが、同じ手倉森監督の下、ここからの巻き返しが期待される。【石川秀和】