森保監督がA代表とオリンピック(五輪)代表を兼任することが決まった。世代交代が求められる現段階で、兼任には賛成だ。ただ、鍵は組織がいかに協力できるかだ。記者会見で森保監督は「自分1人では無理」と話したが、これは心の叫びだろう。

 だからこそ、スタッフの確保をはじめ選手派遣や日程の問題など、日本協会やJリーグにどんどん要望を突きつけてほしい。組織はそれに応えるべき。このプロジェクトのボス“総理大臣”は田嶋会長でも、関塚技術委員長でもなく、森保監督なんだ。日本人らしい忖度(そんたく)をすることなく、森保監督には声を上げてほしい。

 五輪代表は通常予選を突破してからオーバー・エージ(OA)枠の話になるが、今回は予選がない。すぐにもOA枠のシミュレーションができる。それも固定せずに入れ替えて試せる。そんな形でA代表と五輪代表を融合させてはどうか。2つの代表をはっきり分けるのではなく、大きな日本代表の中で若手とOA枠世代の混成チームを2つつくるイメージ。紅白戦をさせてもいい。

 森保監督について、指導者としての実績は申し分ないと思う。今は始まったばかり、期待しかない。(日刊スポーツ評論家)