【スバンジャヤ(マレーシア)25日=木下淳】リオデジャネイロ五輪アジア1次予選が明日27日、U-22(22歳以下)日本-U-22マカオ戦で開幕する。前日24日までにオーストリア1部ザルツブルクFW南野拓実(20)とスイス1部ヤングボーイズFW久保裕也(21)が合流。年齢制限が始まった92年バルセロナ五輪以降、最初の予選から海外組が出場するのは初めて。過去最強の攻撃陣になる資質を持って船出する。

 マカオ戦を2日後に控えた手倉森ジャパンは、キックオフと同じ午後4時から練習を始めた。それでも気温36度。一向に収まる気配のない猛暑の中、シュート練習や当地で初のフルコート紅白戦を実施。合流直後の海外組FW久保と南野も全メニューに加わり、約90分間の調整に取り組んだ。

 期待の膨らむ予選だ。23歳以下に出場が制限された92年バルセロナ大会以降、最初の予選から海外組が出るのは初めて。00年シドニーの中田英(ペルージャ)は最終予選から、08年北京の森本(カターニア)は本大会から加わった。1次予選からは前例がない。

 時代や、五輪予選に招集の拘束力がないことが要因だったが、今回から国際Aマッチデーと重なったためクラブの理解を得られた。メリットは大きい。11日のミャンマー戦で4点ずつ挙げたFW鈴木、MF中島ら国内組と欧州勢の競争が激化する上、データを知った久保も「初なんですか? 確かに、早い段階からチームになじめるのはいいこと」と歓迎。過去の代表よりも融合の度合いは早まる。

 実際、久保と南野は初招集された昨年12月のタイ・バングラデシュ遠征から光っていた。久保がタイ戦でアシストすれば、当時C大阪の南野はバングラデシュ戦で1得点1アシスト。過去最強の攻撃陣になるポテンシャルを秘めて、1次予選から連係を高められる。

 「2人を絡ませれば、チームのレベルは1ランクも2ランクも上がる」と手倉森監督。まず南野が出場予定のマカオ戦で「新生リオ世代」がお披露目される。