高倉麻子監督(48)の初陣となる6月の米国戦で、女子日本代表「なでしこジャパン」は、19年W杯フランス大会、20年東京五輪に向けて再出発する。

 米国代表とは6月2日にコロラド州コマースシティーで、同5日にはオハイオ州クリーブランドで対戦する。特に初戦の試合会場は標高約1600メートルの高地。リオデジャネイロ五輪前で本気モードの世界女王・米国を相手に、移動による疲労や時差だけでなく、酸素が薄い悪条件での戦いを余儀なくされそうだ。

 若手中心の20人のメンバーを発表した20日の会見で、高倉麻子監督(48)は「準備期間もない。高地対策も100%できない。マイナスの条件が多い中でやらなければいけない。サッカーはどの大会もゲーム中も思いがけない要素が出てくる。そういった意味で、スタッフ、選手個人の対応も発揮するにはいい機会だと思う」と話した。米国戦は、チームとしての適応力を試すことができる絶好のチャンスととらえている。

 リオデジャネイロ五輪アジア最終予選では自国開催の重圧とも戦い、3位に終わって本大会出場を逃した。最終目標となる東京五輪の金メダル獲得に向けて、高倉監督は逆境にも負けないタフなチーム作りを目指す。「結果を恐れず、思い切りぶつかっていきたい。最後まで諦めず、ハードに戦うことを変わらず表現したい」。現状では世界ランキング1位米国の壁は厚い。「マイナス条件」でのアウェー2連戦は勝敗に関係なく、今後に向けた大きな収穫を得る機会となるはずだ。