U-20日本代表候補に飛び級で選ばれた中学3年生のFW久保建英(15=東京ユース)が、練習試合で“U-20代表初ゴール”を決めた。東京との練習試合2本目に登場。エースFW小川航基(磐田)と2トップを組むと、3分にいきなり柔らかいタッチのスルーパスを出す。6分には得意のドリブルで2人をかわしてシュート。クロスバーの上に消えたが、観戦者を沸かせた。

 序盤から物おじすることなく存在感を示すと、待望の得点が生まれた。8分、小川が右サイドを突破して中央に折り返すと、ペナルティーエリア内でフリーになっていた久保の足元に届く。これを左足で、ゴール右に冷静に蹴り込んだ。相手GKは、本年度の全国高校選手権と高円宮杯U-18プレミアリーグの2冠を達成している広末陸(青森山田高)。その動きを的確に見極めた1発だった。

 チームメートからハイタッチを求められると、表情を崩さずに応じた。得点までは堂々としていたが、年上の選手たちからの祝福には恐縮。初々しくもU-20代表での実戦初弾を決め、5月のU-20W杯韓国大会のメンバー入りに向けてアピールした。

 38分には中盤まで下がってパスカット。41分には左サイドから小川へ的確なラストパスを送り、シュートにつながったものの、GKに阻まれてアシストとはならなかった。ボールをもらう際のマークの外し方も秀逸で、前日7日に「戦力になる」と話していた内山監督の期待に応えるプレーを披露した。

 試合後は多くの報道陣に囲まれ「上の世代に呼ばれると緊張しますけど、ピッチに入ったらやるだけ。(得点は)ただ、決めるだけの簡単なゴール。決めないといけない」と落ち着いて振り返っていた。

 試合は、1本目がMF森島司(広島)の得点で1-0。2本目も久保の得点で制した。控え組ながら現在J1で2位にいる東京のトップチームに、U-20日本代表候補が勝利した。