J1北海道コンサドーレ札幌のFW鈴木武蔵(25)が日本代表入りした。サッカー協会は14日、国際親善試合キリンチャレンジ杯コロンビア戦(22日、日産ス)ボリビア戦(26日、ノエスタ)に臨む日本代表メンバーを発表し、鈴木がA代表に初めて招集された。今季リーグ戦3試合3得点の決定力が評価された。クラブにとっては99年のFW吉原宏太以来、20年ぶり2人目の代表入りとなった。

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鈴木が日本代表に選出された。森保ジャパンのメンバーとして、国際親善試合に臨む。チームの練習がオフのこの日、クラブを通じ「このたびは日本代表に選ばれた事を光栄に思います。そしていつもサポートしてくれる僕の周りの方々に深く感謝します。まだまだここからがスタートなので精いっぱい自分らしく頑張ります」とコメントした。

今季長崎から札幌に加入し、レギュラーを獲得。開幕戦はベンチスタートも、初先発の第2節浦和戦で2得点を挙げ勝利に貢献すると、第3節でも先制点を決め、現在3得点。スピードを生かし相手DFの裏へ抜け出して作ったチャンスを、きっちり決めて新天地で結果を出している。

高校で終止符を打とうと思っていたサッカー人生は、ついにA代表に名前を連ねる日を迎えた。桐生第一高時代は「無名だったし、卒業して自動車の専門学校に行って、地元の工場に勤めようかなと思っていた」と振り返る。2年時に初めてU-16日本代表入りすると、人生は大きく転じる。全国高校選手権での活躍もあり、プロ入りを果たすと、16年リオデジャネイロ五輪代表として大舞台にも立った。だが、その後はJリーグでの結果にも苦しみ招集されることはなかった。昨季長崎での自身初の2ケタ得点が足がかりとなり、今季はさらなる飛躍が期待されている。

クラブにとっても20年ぶりの快挙だ。札幌からの日本代表入りは99年のFW吉原のみ。昨年、W杯ロシア大会期間中にペトロビッチ監督は「そうした選手(日本代表)をクラブから輩出できるように努力していきたい」と、日の丸戦士を送り出す日を夢の1つに掲げていた。札幌の看板を背負ってサムライブルーのユニホームを着て戦う選手の誕生を、北海道民は願い続けていた。鈴木はみんなの期待を受け止め、3年後のカタールへの道に続く第1歩を踏み出す。【保坂果那】

◆日本代表・森保一監督(50)の札幌FW鈴木評 まだリーグ戦が始まったばかりですが、結果を出している。札幌の攻撃の部分で、裏に抜け出すスピード、前線で起点になること、良さをいかしてプレーできていると思いますし、(代表)チームのコンセプトの中で自分の良さを最大限発揮してくれればな、と。(同じ初選出のFW鎌田とともに)まずは得点をとってもらいたいと思っていますし、得点に絡む局面に絡んでほしいなと思います。