日本代表MF中島翔哉(24=アルドハイル)が途中出場で森保ジャパンを救った。日本(FIFAランク27位)はボリビア(同60位)に1-0で辛勝し、平成最後の代表戦を白星で飾った。

2列目にW杯ロシア大会組のMF香川らを並べるなど、22日のコロンビア戦から先発11人を総入れ替えしたが攻撃が停滞。後半途中から投入されたMF中島、南野、堂安が一気に活性化させ、中島が通算3点目となる決勝点を奪った。次回は6月に国内で2試合を行い、南米選手権(ブラジル)に招待出場する。

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主力の存在感だった。後半16分から途中出場した中島が、流れを一気に変えた。迎えた同31分。敵陣から途中出場の三銃士で攻め上がった。中央の堂安から前線の南野へ。左から上がった中島は、南野からのパスを受けて速い右足の振りでニアサイドに突き刺した。

「瞬間の判断。ファー(サイド)に打つこともできたけど、相手も大きいので狙って打った」。平成最後の代表戦で唯一の得点。日本サッカーが飛躍した一時代を象徴するかのような若手3人衆の活躍だった。

この日は先発を総入れ替えし、W杯ロシア大会組の香川、乾、宇佐美が2列目を形成。同大会に出場できなかった三銃士はベンチスタートだった。前半は守備を固めてくる相手に苦戦。「仕掛けてくれ」と森保監督から送り出され、中島らの投入で流れが変わった。

1月にポルトガル1部ポルティモネンセからカタールへ日本人最高額の移籍金約44億円で移籍。欧州の複数クラブからオファーを受けたが、周囲から都落ちと言われても新天地にカタールを選んだ。名将モウリーニョ監督の右腕と言われるファリオ監督の下で成長を確信。「より速い判断が必要。速い判断の中での精度とかラストパス、ドリブルのスピードは日々勉強になっている」と攻撃センスに磨きをかけた。

この日はリフティングしながらゴール前に迫るなど「楽しくサッカーをして勝てるようにと思っていた」。悲愴(ひそう)感はなく、無邪気に笑う姿が目立った。

背番号は8。誰もが憧れる日本代表の10番を付ける予定だった、1月のアジア杯は右下腿(かたい)の負傷で離脱した。中島の不在が響き日本は準優勝。今ではトップ下を務める南野が「翔哉がボールを持つと攻撃のスイッチが入る」ほどの存在になった。今回も10番を香川に譲ったが「番号よりプレーで示す」と有言実行の一戦となった。

森保ジャパンも新時代に入る。次は6月の南米選手権。「うまくなりたい。もっと精度を高めていきたい」。新たな元号での主役も中島ら三銃士が担う。【小杉舞】