また新たなメッシ伝説が誕生-。「神の子」FWリオネル・メッシ(39=マイアミ)率いるアルゼンチン(FIFAランキング1位)が、エジプト(同29位)に大逆転勝ちした。2点を追う後半29分から怒濤(どとう)の3連続ゴールで8強進出を手にした。メッシは1得点1アシストし、崖っぷちからチームを救った。今大会5試合連続の8ゴール目で単独トップに浮上。W杯連続ゴールは前人未到の9試合まで伸び、最多の通算得点数も21とした。

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ミラクルと言っても過言ではない。0-2。王者アルゼンチンは追い込まれていた。W杯史に残る番狂わせか。誰もがそう思った。だが百戦錬磨の男はあきらめなかった。闘志をむき出しにして戦い、崖っぷちのチームをよみがえられた。

後半29分、メッシが右から送った正確なクロスをDFロメロが頭で押し込んだ。1点差。会場の空気が変わる。「まだ大丈夫だ」。不屈の主将が鼓舞する。同39分、値千金の同点弾は自ら決めた。DFモンティエルが落としたボールを左足で蹴り込んだ。2-2の同点だ。もう流れはアルゼンチンにあった。そして追加タイムの同47分、カウンターからMFフェルナンデスが頭で合わせた。土壇場での大逆転勝ち。終盤の13分間で一気に引っ繰り返した。

試合終了のホイッスルが鳴ると「神の子」も人の子に戻った。安堵(あんど)感から人目もはばからず涙した。それだけ苦しかった。「正直、勝ち進むことができて本当にうれしい。そして勝ち方にも満足している。0-2で負けていたから苦しかったが、そこから逆転できたのは本当に興奮した」。まだ負けるわけにはいかなかった。

ネイマールが敗れた。ロナウドも散った。時代を彩ったレジェンドが連日のようにW杯から姿を消した。39歳になるメッシも、ここで敗れたらもう2度とW杯のピッチに立つことがなかったかもしれない。こんな形で終われなかった。

FWマルティネスは「レオはいつもあんなに走り、限界まで自分を追い込んでいる。彼は僕たちの模範であり、導き手であり、いつも僕たちを助けてくれる存在なんだ」と敬意を込めて話した。スカロニ監督は「顔を上げられない、ごめん。今、本当に感情が高ぶっている」。優勝したわけでない。なのにメッシは胴上げされた。この日のゴールでまた新記録を更新。W杯の連続ゴールは9試合、今大会トップの8点、通算は21得点。しかし記録以上に、なぜメッシが今もアルゼンチンに君臨しているのか?「神の子」とあがめられているのか? その理由が凝縮された一戦だった。

「苦しい試合もあるが、それがW杯というものだ。どの試合も同じような展開になるし実力伯仲なんだ。だけどこのグループは決してあきらめずに、最後まで挑戦し続ける」

黄金のトロフィーは誰にも渡さない。大会連覇に向け、メッシは熱き心で仲間たちを鼓舞し続ける。

【動画】メッシ胴上げ、終了間際13分間3連続ゴールの逆転劇にスタジアム興奮

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