サッカー女子ワールドカップ(W杯)フランス大会(6月7日~7月7日)の日本女子代表(なでしこジャパン)メンバーに選出されたアルビレックス新潟レディースのGK平尾知佳(22)が22日になでしこジャパンの事前合宿に合流する。

W杯に向け本格的な準備に入る。初の大舞台に向かう心境を聞いた。

【聞き手=斎藤慎一郎】

平尾はリラックスして代表に合流する。「おめでとう、と言われるのには慣れて来ました」と笑う。10日の代表発表直後から多くの人たちに祝福された。合流直前のオフを利用し、千葉の実家に帰省。目的は11年6月に亡くなった父秋吉さん(享年39)の墓参り。フランスには秋吉さんの写真を持参すると言う。

-代表合宿、そして直前の親善試合スペイン戦(6月2日)と、これからW杯への準備が始まる

平尾 代表発表後4、5日たってからようやく実感が湧いてきました。どういうふうに臨もうかと。そういう気持ちがいい準備になっています。

-具体的にはどんな準備を

平尾 まずコンディションを整えようと。リーグ戦が続いて体にも疲れがきているので、いつもより食べる量を増やしました。普段はご飯は普通盛りなんですが、大盛りに。3食、お米です(笑い)。

-事前合宿でのテーマは

平尾 自分が得意なのはクロスの対応。それをアピールしたい。ほかの2人のGK、池田さん(咲紀子、26=浦和)と山下さん(杏也加、23=日テレ)に、すべてにおいて負けているつもりはないです。2人は年上だけど、1番は自分だと思っている。その中でも得意なクロスや1対1の対応は絶対に負けたくないです。

-2人から刺激を受けている

平尾 池田さんは浦和時代も一緒でした。キックの精度は半端なく高い。山下さんは身体能力が高くてシュートストップがうまい。2人を見つつ、自分のプレーも出して行きたいです。

-昨年、浦和から新潟に移籍して成長したと感じる部分は

平尾 浦和ではケガもあり、ベンチの時期もありました。メンタルの上下が激しかったです。新潟に来てからは精神的に落ち着いています。新潟に来て得るものは大きかったです。

-過去のW杯を見て感じたことは

平尾 11年のW杯で初優勝したとき、決勝をテレビで見ていました。当時はJFAアカデミー福島の寮にいて。3月に東日本大震災があって福島から静岡に移動した後でした。優勝のインパクトが強かったです。サッカーって、こんなにも人を感動させられるんだなって。将来は自分もそういう立場の人間になりたいと感じました。

-W杯を経験することで、今後に生かしたいと思うこと、そして今回の目標は

平尾 自分が海外で通用するのかは試合に出ないと分からないけど、チームを世界一に導けるGKになるための現状を知りたいです。それに女子サッカーを盛り上げるために、世界一になりたいです。新潟にメダルを持って帰りたい。

◆平尾知佳(ひらお・ちか)1996年(平8)12月31日生まれ、千葉県出身。5歳からサッカーを始める。JFAアカデミー福島に所属し、富岡高(福島)を卒業。15年に浦和に入団。U-17、19、23の日本女子代表に選出される。18年に新潟に移籍し、同年のアジア杯の日本女子代表に選出された。173センチ、65キロ。