オーストリア遠征中の日本代表(FIFAランク27位)は17日(日本時間18日)、メキシコ(同11位)との国際親善試合に臨む。来年3月のワールドカップ(W杯)アジア2次予選に向けた最後の実戦の場となる。18年W杯ロシア大会でのベルギー代表との激戦から2年以上が経過し、22年W杯カタール大会まで残り約2年。格上を相手に、勝利で進歩を証明する。

22年W杯カタール大会を目指す森保ジャパンの道のりも、残り約2年と折り返し点を過ぎた。コロナ禍の今年を締めくくる一戦は、チームの成熟を確かめられる格上が相手。森保監督は「立ち位置を知るために最高の相手だと思っている」と気を引き締めた。

W杯ロシア大会での敗戦から、挑戦が始まった。チームの支柱であるDF吉田の脳裏から、ベルギー戦の光景が消えることはない。「あの試合でできなかったことを、この4年間で追求していくことが1つのテーマ」。国際Aマッチ期間の限られた時間の中で、すりあわせを続けてきた。

同大会でコーチだった森保監督が常に口にするのが「臨機応変」。吉田も「状況判断して、自分たちがよりよい方向に軌道修正するというのがあの試合では足りなかった」とピッチでの対応力の必要性を口にした。13日のパナマ戦では前半こそ苦しんだが、後半に入って修正力を見せた。吉田は「大会が大きくなればなるほど、外からは変えられない。うまくいかない時に変化を起こすのは意識している」。ロストフで経験した敗戦はチームの糧になっている。

次のW杯を考えれば、満足はない。パナマ戦の勝利も「1-0で終わるのと、残り10分で追加点を取って相手の戦意をそぐことでは(試合での)疲労度も違う。(W杯で)予選を突破したことを考えると非常に大事な時間だった。全員がそこまで考えて戦わないといけない」と反省点を挙げた。格上と戦う貴重な機会で、積み上げたものをぶつける。【岡崎悠利】

◆ロストフの悲劇 18年W杯ロシア大会の決勝トーナメント1回戦で、日本代表はロストフナドヌーでFIFAランク1位のベルギー代表と対戦。2-3で敗れた。2点を先行して大金星に近づいたが追いつかれ、後半ロスタイムのラストプレーでカウンターを受けて逆転を許し、史上初の8強進出を逃した。