セレッソ大阪が14年ぶりに“鬼門”を突破した。仙台ではJ1で過去1勝4分け1敗で、03年5月10日に2-1で勝ったのが最後だった。序盤から仙台に主導権を奪われ、今年もか…。そんな呪縛を解き放ったのが、主将のFW柿谷だった。

 前半16分、3バックの裏を狙った。あうんの呼吸で清武がロングパスを供給。落ち着いてGKとの間合いをはかると、角度のないところから左足で先制ゴールを突き刺した。今季3点目もプレーの流れの中では初。試合後は「そう言われると思ってました」と絶妙に返した。J2での5季を含むとはいえ、13年も勝てなかった舞台。「俺らには関係ないです」と言うが、尹晶煥監督は気にしていた。試合前のミーティングで「長い間勝っていないが、これから勝てる伝統を作っていこう」と鼓舞していた。

 柏も勝ち、12年ぶりの首位はお預け。今後の戦いに向け、MF清武の負傷退場と代償も負った。昨年、右足首を痛めて長期離脱を経験した柿谷は言った。「キヨにプレッシャーをかけないよう、俺らが頑張るしかない。昨年、みんながそうしてくれたように」。前節で連勝は4で止まったが、柿谷が活性化させ、仙台で放った4発から再び加速する。【実藤健一】