J1柏レイソルFW伊東純也(25)が、関東リーグ1部VONDS市原FC戦で、開始23秒の先制弾を含む1ゴール3アシストと6発中4発に絡む大爆発でチームを大勝に導いた。

 伊東は開始早々、相手のパスをインターセプトすると、右サイドを切り裂き、開始14秒でシュート。1度はGKに弾かれたが、混戦の中でMF大谷秀和が頭で落としたボールを、今度は左足で決めた。

 前半45分には、右クロスを上げてFW江坂任(26)の頭に合わせてチームのこの日2点目をアシストすると、伊東の勢いは、もう止まらなかった。後半19分に再び右サイドを突破し、途中出場のMF小泉慶(23)にパスを出すと、小泉がゴール右の角度のないところから右足で決めて3-0。4点をリードした後半41分には、右から鋭いパスを中央に送り、FWハモン・ロペス(28)のこの日2点目をアシスト。右サイドを中心に、この日のピッチは完全に“伊東劇場”と化した。

 試合後、伊東は「あの1点(先制弾)は大きかった。プロで、これだけ速いゴールは初めてかな。個人的には1対1が、もう1こあったし、ああいうのは決めていきたい。でも質の部分は良かったと思う」と振り返った。相手のVONDS市原は同じ千葉県をホームにする、J1から数えて5部に当たる関東リーグ1部のチームだが、天皇杯千葉県予選で同じ関東1部ながら17年はJFL(4部相当)を戦ったブリオベッカ浦安、1回戦ではJ3のブラウブリッツ秋田を連破して勝ち上がり、勢いに乗っていた。その相手に、試合終了のホイッスルが鳴るまで右サイドを切り裂きまくり、やりたい放題だった。「相手が嫌がるところに走って、うまく崩せていたのでいい攻撃が出来ていた」と控えめに笑みを浮かべた。

 5月13日に下平隆宏前監督が退任し、加藤望ヘッドコーチが新監督に就任。初戦となった5月20日の名古屋グランパス戦に3-2で勝利し、この日が2戦目だった。「『みんなでハードワークしよう』と言われていますし、攻撃面で、もっと脅威になるように、相手の背後を取っていく、仕掛けの部分は、もっと求められている」という新監督の求めるプレーを徹頭徹尾、続けた。「負けたら終わりなので1戦1戦が大事。相手がどうこうより、自分たち主導でやれた。満足しちゃダメだと。体が動いたので、行けるところまで仕掛けようと思った」。誰よりもゴールに貪欲だった男・伊東が、雨を吹き飛ばす黄色い稲妻のように、ピチを切り裂き続けた夜となった。【村上幸将】