ヴァンフォーレ甲府の上野展裕監督(53)は、J1の柏レイソルに2戦合計3-3、5日のホームでの第1戦で2-2で引き分けたアウェーゴール数の差で屈し「願わくば準決勝に進みたかったが、進めなかった」と無念の思いを吐露した。

前半13分、狙い通りに先制した。左ショートCKを受けたMF曽根田穣が、左クロスをペナルティーエリア内に放り込むと、FW金園英学がDFと競り合ったこぼれ球をDF道渕諒平が右から軽く中央に折り返した。そのボールを、キャプテンマークを巻いたDF小出悠太(23)が右足で蹴った。シュートはMFフェフージン(30)の背中に当たってゴール左に飛び、そのまま入った。上野監督は「前半、耐える時間が長かった。DFラインが下がってしまったが、ミドルシュートが決まった」と振り返った。

後半は「DFラインを上げてもう1点、取っていこう」と指示を送り、押し込んだものの決定機を決めきれず、同16分に追いつかれた。同監督は「チャンスがあって2-0になれば良かったが、決めきれず追いつかれた。最後、何回かチャンスをつくったが決めきれず残念」と肩を落とした。

後半ロスタイム4分、最後の最後でビッグチャンスが訪れた。MF小塚和季のスルーパスに抜け出したFWジュニオール・バホスが、DFを振り切ってシュートも、左ポストを直撃しゴールはならず。上野監督は後半18分に投入したバホスへの指示について聞かれ「2点ありました。1点は点を取ってこいと。もう1点はボランチが疲弊していたので、DFを助けて上げてほしいと。一番最後、決めれば良かったがダフった。30分、よく走ってくれた」と、バホスをねぎらった。

この日、6120人の観客のうち、甲府からも1000人を超えるサポーターが集まったという。上野監督は「残念な結果になりましたけど、選手はよくやってくれたと思います。昨日の練習後、全ての選手に『私は誇りに思うよ』と伝えた。(リーグ戦に)出てない選手、あまり出ていない選手も、カップ戦でやるべきことをやってくれた選手がいたから、全員でここまで進めた。この頑張りを、次のリーグ戦につなげたい」と会見の最後は胸を張った。【村上幸将】