ブラインドサッカー女子日本代表のエース、菊島宙(そら、16=埼玉T.Wings)が7ゴールで最終調整を締めくくった。

日本代表は17日、東京都内の帝京科学大グラウンドで男子日本代表予備軍のナショナルトレセンチームと練習マッチを行い、7-1で快勝。菊島は1人で全ゴールをたたき出し、23日に行われる国際親善試合「さいたま市ノーマライゼーションカップ2019」、IBSA(国際視覚障害者スポーツ連盟)世界選抜戦(サイデン化学アリーナ)へチームに勢いと勇気を与えた。

「7点ですか~? 3点目ぐらいまでは覚えていますけど、その後は分からないです~」。菊島はちゃめっ気たっぷりに笑った。1年ぶりの海外チームとの対戦を前にした強化合宿。最終メニューは男子トレセンチームとの練習マッチだった。

スタメンでピッチに立って前半だけで4ゴール。途中出場の後半にも3ゴールを追加した。右足で4発、左足で3発。インステップ、アウトサイド。グラウンダー、強烈なライナー。柔らかなボータッチの切り返しで相手のマークをかわし、GKのタイミングまで外してゴールを量産した。

「ブラサカ界の澤穂希」と呼ばれる圧倒的な存在感。1年前のアルゼンチン選抜戦では1人で6ゴールを挙げて7-3の逆転勝利をもたらしている。女子の競技人口が少ないため、普段は所属する埼玉T.Wingsで男子と一緒にプレーするが、昨秋の東日本リーグでは1試合7ゴールを記録している。「相手DFはもちろん、GKとも駆け引きができるようになった。守備への意識も高くなった。彼女の場合、いつ試合でもOKですね」と代表の村上重雄監督も頼もしそうだ。

「世界選抜にはドイツ、アルゼンチンのいい選手が入ると思う。失点をゼロにして、個人的には3点は取りたいです」と菊島。控えめな目標とは裏腹にゴールラッシュの予感を漂わせた。    【小堀泰男】

 

【ブラインドサッカー女子日本代表】

<FP>

加賀美和子(38=buen cambio yokohama)

菊島宙(16=埼玉T.Wings)

工藤綾乃(33=Avanzareつくば)

鈴木里佳(28=コルジャ仙台ブラインドサッカークラブ)

竹内真子(24=兵庫サムライスターズ)

橋口史織(38=ラッキーストライカーズ福岡)

<GK>

大作真智子(26=埼玉T.Wings)

本多さかえ(44)