J2モンテディオ山形は琉球と1-1で引き分け、4戦負けなしとし5位をキープした。後半19分にGK櫛引政敏(26)がPKを止めたが、キッカーより先に動いたと判断され警告処分に。やり直しを決められ、先制を許した。それでも後半43分、そのPKを与えてしまったDF熊本雄太(23)がヘディングでJ初ゴールを決め追いついた。後半ロスタイムにはエリア内で相手がハンドもノーホイッスル。首位を相手に勝ち点3を逃した形となった。

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どん底からはい上がった。試合終了間際、DF熊本が起死回生の1発を決めた。セットプレーからのこぼれ球を頭で押し込むと、歓喜を爆発させベンチの祝福に酔いしれた。後半19分、DF熊本はエリア内でファウルを犯しPKを献上していただけに「失点の原因を作ってしまったので取り返せてよかった。粘りよく戦うことができました」と胸をなで下ろした。

そのPKを巡っては、微妙な判定もあった。GK櫛引がシュートストップしゴールを阻止したが、先に動いたと判定され、やり直しとなり失点。「僕が先に動いて出たという判断。審判の判断をリスペクトするしかないですが、PKに関しては、キッカーがタイミングをずらす蹴り方をしてくれば動いてしまうこともある。サッカーが良くなっていくために議論してもらいたい」と悔しさをにじませた。

後半ロスタイムには、FW阪野の放ったシュートを相手DFが手でブロックしたかに見えたが、PKならず。阪野は「ハンドじゃないんですか? シュートの後プレーが続いていたので抗議はできませんでしたが、FWは相手DFの立ち位置を見て入りそうだなと思う角度に狙っている。狙い通りに打てましたが、シュートコースにあるはずのない手があったらどうしようもありませんね」と肩を落とした。

木山隆之監督(47)は「試合内容に関しては引き分けは妥当だが、PK止めてあれをノーといわれたら大分苦しくなるし、最後もPKをもらえない不運があった。でもそれも含めてゲームなので仕切り直してポジティブに取り組んでいきたい」と切り替える。不運な判定に泣かされたが、攻守ともに安定しているのは間違いない。次節(30日)はアウェーで栃木と対戦する。【下田雄一】