G組2位の浦和レッズがH組1位の蔚山(韓国)に3-0で完勝し、2戦合計4-2で逆転突破した。

ホームでの第1戦(19日)を1-2で落とし最低2点が必要だった中、FW興梠慎三(32)が頭で2得点。MFエヴェルトンもダメを押した。2度目の優勝を果たした17年のように第2戦で逆転勝ちの流れをつくり、2大会ぶり準々決勝(8月)へ。日本の鹿島、中国の広州恒大と上海上港が進んだ東地区8強の対戦カード抽選は7月2日に行われる。

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興梠のゴールが大雨を2度、切り裂いた。まずは前半41分、右MF宇賀神の右クロスに飛び込む。DFユン・ヨンソンの前から動き直して背後に消え、完璧にマークを外して頭でゴール左に先制点を決めた。1-0ならアウェーゴール数の差で敗退だったが、後半35分に再び大仕事。DFマウリシオの右クロスに、また頭だ。左サイドで、今度はDFの前に体を入れてゴール右へ。ひっくり返した。

前日の公式会見で「サッカーに不可能はない」と話していたゲーム主将が、自身が持つACLの日本人通算得点記録を23に伸ばし、逆転勝ちに導いた。文句なしの試合MVPで「心理状態として1点を取れば相手は焦る。そこがチャンス」と読み通りの展開だった。

大槻監督は通常より2人多い20人で遠征。直前まで競争させることで闘志を高め、第1戦から先発3人を変更した。ファブリシオを1トップで今季公式戦初先発させ、興梠と武藤の2シャドー(1・5列目)で前半1得点。後半30分にはDF岩波を下げて3バックから4バックに変え、5分後に興梠突破弾が生まれた。

17年は1回戦から4連続で第2戦に勝ち越し、2度目の頂点に立った。その再現となる日韓対決の逆転勝利にも「厳しい試合が続くので体調を整えたい」と興梠。8月の準々決勝へ、当然8強では満足できない。