アルビレックス新潟は敵地で3位V・ファーレン長崎に0-2で敗れ、2連敗を喫した。

前半30分、FW富樫敬真(27)に先制を許すと、後半22分にFWエジガル・ジュニオ(29)に追加点を奪われた。これで14勝14分け9敗で勝ち点56のまま。残り5試合、前節までJ1自動昇格圏2位の福岡との勝ち点差14を縮められなかった。この日試合のなかったアビスパ福岡が29日の大宮アルディージャ戦に勝つと、新潟のJ1昇格が消滅する。

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新潟は勝ち点3が必要な一戦で敗れて逆転のJ1昇格に向け、崖っぷちに立った。前半、FW鄭大世(36)が何度か訪れた決定機を仕留めることが出来ずにいると、同30分に富樫に先制を許す。失点以降は立ち直り、ボール支配率も上がった。だが後半22分に2点目を奪われた。アルベルト監督(52)は「相手は2回のチャンスをものにした。新潟は決定力不足と、運にも見放された」と悔しがった。

ゴール前にボールを運ぶ回数が劣っていたわけではない。ただ、ここぞというタイミングで得点を奪いに行くダイナミックな姿勢は、相手が上だった。新潟は両サイドを起点に攻撃を仕掛けたが、フィニッシュの場面に人数をかけることができず、2試合連続無得点に。鄭大世は「(全員が)ラストパスのクオリティーを向上させることが必要。ボールを回すだけでなく、アタッキングサードではリスクを負ったパスも出さないと」と言った。

先制された試合は8分け8敗で未勝利。敵将の手倉森監督が「自信につながるゲームだった」と笑顔で振り返ったように、昇格圏入りを争うライバルチームに勢いをつける形となった。この日試合のなかった福岡を抜き暫定2位に浮上の長崎と新潟の勝ち点差も14。今日29日に福岡がホームで大宮に勝てば、新潟のJ1昇格は消える。アルベルト監督は「可能性は0ではないが、難しい状況にいる」と話した。