岩手最多29度目の優勝を決めた遠野は、選手権1勝を目標に掲げる。今秋の県決勝は連覇を狙った専大北上に1-0で勝利。就任1年目の佐藤邦祥監督(32)の下、2年ぶりの王座奪還を果たした。

堅実な守備が光った。県大会全4試合で失点はわずか1。全試合フル出場のGK山下夏輝(3年)が守護神となり、DF陣も体を張ったプレーを見せた。佐藤監督は「粘り強さを出してくれた。就任1年目で優勝できたのは、選手の頑張りのおかげ」とねぎらいの言葉をかけた。同監督は今年4月にコーチから昇格。同校OBで05年度の選手権4強メンバーでもある。「守備だけでは全国で勝ち上がるのは難しい。攻撃の部分も仕上げていきたい」と全国経験者として、チームのレベルアップを見据える。

エースストライカーは全国でのゴールを意気込む。専大北上戦で決勝点を挙げたFW平賢心(3年)は「どんどんシュートを打っていきたい。チームの勝利に貢献できれば」と言葉に力を込めた。県勢は12大会連続で8強以上の上位進出を逃している。新たな遠野物語で名誉挽回する。【佐藤究】