高体連(高校の部活)とJクラブ下部組織の強豪12チームが集う、サッカーのサニックス杯が17日、福岡・宗像市で開幕した。高校3冠(全国選手権、全国高校総体、プレミアリーグEAST)を達成した青森山田の新チームは、ダブルヘッダー(80分×2本)に臨み、第1試合は名古屋グランパスU-18に1-2、第2試合はサンフレッチェ広島ユースに0-2と2連敗スタートになった。

名古屋戦では1点を追う後半37分、MF小野理竜(りろ、2年)の左CKからDF三橋春希(2年)がヘディングで合わせ、同点ゴールを決めたが、その1分後に勝ち越しを許した。広島戦では後半1分、同13分に失点。いずれの試合も流れの中からゴールに迫る場面が少なく、選手権で3ゴールを挙げた新背番号「10」のFW小湊絆(つな、2年)は孤立した。

J1FC東京の主力に定着しつつあるMF松木玖生(くりゅう、18)、J2FC町田ゼルビアに加入したMF宇野禅斗(18)ら3冠メンバーは3年生が中心だった。当時のトップチームで試合に絡んでいたのは、小湊や右サイドバックで選手権全5試合に出場したMF中山竜之介(2年)、長期離脱中のDF多久島良紀(2年)ぐらいで、経験値のあるメンバーは少ない。

2連敗に黒田剛監督(51)は「変にごまかして終わるよりも、今は『ダメなものをダメと捉えることが大切』なので、今回はあまり結果にはこだわっていない」。新型コロナの感染拡大で部活動禁止期間が1カ月以上あり、本格的に練習を再開したのは今月頭からだという。「我慢強く守ったり、走ったり、気持ちや体力のところをできるようになれば、少しずつなじんでいく」と新チームに期待を寄せた。【山田愛斗】